日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

京都奈良編/2日目/宇陀市・桜井市


2日目は朝早くに出発して室生寺を目指します。天気は薄曇りで、しかも昼前からは晴れ間が覗くということで、今日も雨を免れました。

6:55 JR奈良駅出発

桜井線に乗って南へ。この時間でしかも当駅始発ですから余裕で座れました。10分前に来る必要も無かったか。
ちなみに今回は「奈良・大和路フリーきっぷ」を使用。8日間有効というこの切符があってこその今回の旅行計画でした。


http://www.kintetsu.co.jp/senden/Railway/Ticket/A30006.html

8:00 室生口大野駅到着

桜井駅で近鉄大阪線に乗り換えて約1時間で到着。ここから室生寺方面行きの始発バスに乗車。

8:35 室生寺前バス停到着

バスはガラガラ。他に乗客は同じく室生寺観光だったおじさんと、何故か女子高生が3人。彼女たちは室生寺より先に行ったけど、この辺りに高校は無いようだし・・・一体何なんだろう?
バスは山道を走って15分ほどで到着。

8:40 室生寺

やって来ました女人高野。境内には朝のお掃除をされている方々のみで、心地よい静寂に包まれておりました。やっぱり朝早くに来て良かった。それに写真も撮りやすいしね。拝観料500円です。


金堂(写真左)・本堂(写真右)ともに国宝。


そして何と言っても有名なのが五重塔! これまた国宝。


五重塔のさらに先には奥の院があります。道のりは思っていた以上にハードでした。というか舐めてましたゴメンナサイ。略地図を見て結構近いように錯覚しておりました。覚悟しておけばそんなに大したことは無いと思います。

9:50 室生龍穴神社

室生寺から歩いて15分くらい。本殿*1が県有形文化財です。
こちらはさらにひっそりしております。境内前を横切る片側一車線の道路が何とも不釣合い。まあ、走っている車はまったく見かけませんでしたけど。
さらに奥には龍穴があるとのことですが、バスの時間もあるのでパス。「龍穴見学の方は社務所に申し出て下さい云々」なる張り紙があったのだが、そもそも社務所は閉まっていた。今や放置プレイと化しているのだろうか。ちょっと気になる。

10:15 室生寺前バス停出発

急いで室生寺前に戻ったのだが、よくよく考えてみると、乗ろうとしていたバスは室生寺前始発ではなかったので、龍穴神社で待っていれば良かったのだった。やれやれ、体力を浪費してしまった。
バスはやや遅れてやってきた。今度は貸し切り状態。これではバスの本数が少ないのも致し方ないか。紅葉シーズンともなれば観光客がドッと押し寄せるのでしょうけど。

10:30 大野寺前バス停到着、大野寺磨崖仏

山麓に戻ってきて、駅手前の停留所で下車。すぐ目の前には大野寺の山門が。境内には目もくれず、道路際から宇陀川対岸に見える磨崖仏(国史跡)を眺める。
最近復刻されたらしいのですが、それでも薄らぼんやりとしか見えない。それはまあ、私の視力の問題でもありますけど、最大望遠で撮った写真の方もいまひとつ。光学4倍じゃ足りない?でもそれ以上だと今度は全景が収まり切らないような。
かつて『ココロ社』氏が極寒の宇陀川渡河という壮挙を果たしておいでですが、惰弱な私は川を一瞥しただけで「無理、無理。だって濡れたくないし。」と思ってしまうくらいですから妥協する他なし。

10:35 海神社

周囲は山だけど海神社。本殿が県有形文化財なので訪れました。

10:45 大野寺磨崖仏

先ほど撮った写真の記録画素数が低く設定されていたことに気付いて、取り直しのため再訪。5〜10分ほどのタイムロスだが仕方ない。
しかし写真はやっぱりいまひとつ。確かに原寸大の写真なら線も確認できるんですけど・・・うーん。

10:50 室生口大野駅出発

改札のところで列車到着のアナウンスが聞こえた。慌ててホームに駆け上がって上り列車に飛び乗る。間に合った。これでさっきのタイムロスは帳消し。

11:10 桜井駅到着

駅前南口から次の目的地・談山神社へのバスが出ているのですが、次のバスまで30分以上も時間が余っているので、ちょっと東のほうへ散策に。

11:30 桜井茶臼山古墳

国指定史跡。思ったより遠かった。バスは1時間に1本しかないので、乗り遅れたら大変だぞ、と慌てて戻る。

11:50 御幸田バス停出発

桜井駅前まで戻るのが億劫なので、途中の停留所から乗り込みました。座れましたが、結構混んでいます。観光客だけでなく、市民の足にもなっている模様。

12:05 多武峰バス停到着

終点手前で下車。東大門(県有形)を見学するならこちらから。途中、摩尼輪塔(重文)に淡海公十三重塔を見て拝観受付に向かいます。

12:25 談山神社

拝観料500円。境内にはところどころにこのような見事な勾配の石垣が。多武峰が中世の武装勢力だったことの名残り?


写真の拝殿を始めとして重要文化財建築が立ち並んでおります。ウハウハですね。西宝庫(重文)が屋根の葺き替え工事中だったことだけが残念。


談山神社最大のスポットはやはりこちら、木造十三重塔(重文)。珍奇なフォルムにも関わらず、不思議と心惹かれるものがあります。

13:10 御破裂山

談山神社権殿(重文)の脇から延びる登山道を登ること約15分。藤原鎌足の墳丘墓とされる山頂(写真左)に到着。背後に回ると北に広がる奈良盆地を見下ろせます。三角形に見える耳成山が確認出来ました。

13:25 談山

中大兄皇子中臣鎌足蘇我入鹿暗殺の謀議を行ったという伝承地。もちろん、両者を乙巳の変の主体とする日本書紀の記述が疑わしい状況では眉唾ものと言わざるをえませんが。

13:35 談山神社

10分ほどで下山完了。最後に権殿・十三重塔・神廟拝所の、写真でよく見る重要文化財三連コンボをしっかり写真に収めて境内を後にします。

14:30 談山神社バス停出発

参道の食事どころは軒並み閉まっていましたが、駐車場のお店が開いていたのでバスが来るまで食事休憩。時間が余りすぎたのでソフトクリームまで食してしまいましたとさ。
ようやくやって来たバスに乗って桜井駅方面へ向かいます。またもや貸し切り状態。

14:45 倉橋バス停到着

桜井市街を散策するため途中下車。貸し切り状態にも関わらず、こんなに早く途中下車するのは何だか申し訳ないような気がしてしまう。心を鬼にしてブザーを押した。

14:50 崇峻天皇倉梯岡上陵

15:20 談山神社大鳥居

崇峻天皇陵から北に向かってしばらく歩く。旧参道に立つ石鳥居は県有形文化財。また、参道沿いに建てられた多武峰町石(県史跡)が31基現存しており、そのうち数基をこの辺りで確認。山内でもいくつか見かけた。とてもじゃないけど全部は確認してられない。


この大鳥居の東にある兜塚古墳(市史跡)に接近を試みるも、東南北の三ルートいずれも失敗。私有地の中にあるような気がするんだけど・・・。西側は田んぼになっていたけど、あぜ道を伝っていけば行けたのかな?何だかよく分からない。周囲の地図はご覧のようになっています。


ええぃ!貼り付けたはてなマップは縮尺の設定が出来んのか。

15:35 メスリ山古墳

国指定史跡。

15:45 上之宮遺跡

市指定史跡。新興住宅地の中の小さな緑地公園と言った風情なのであるが、近づいてみるとご覧のような奇妙な石組みが出現。こりゃいったい何の遺構ですか?
ちなみに遺跡は飛鳥時代のものだそうで、厩戸王子(聖徳太子)の上宮の跡地と推定されているようですが、どうなんでしょ。

16:00 谷首古墳

県指定史跡。老人ホームの東にある古墳。南側の道路から見える位置で横穴式石室が口を開けている。
実は老人ホーム北側の公園にあるものと思い込んで行ったものの、それらしい形跡が全く無くてちょっぴり焦りました。周囲のそれらしき場所を探し歩いて無事発見。事前調査を完璧にするのは難しいから、現地で何とか対応しないとね。

16:10 艸墓古墳

国指定史跡。民家と民家の間を伝って行かねばならない場所にあり、ビックリさせられる。しかも入口は植え込みで半ば隠れていて・・・。標柱があるのがせめてもの救い。あれがなければ途方に暮れていたことだろう。

16:25 安倍文殊院

文殊院西古墳特別史跡)を見に行く。石室内部にも入れるのね。
ちなみに文殊院古墳(県史跡)もあるでよ。なんか古墳ばっかり見ているけど、実のところ古墳にはあまり興味はなかったり(^^;;

16:45 安倍寺跡

国指定史跡。安倍史跡公園として整備され、2つの土壇に瓦窯跡がありました。

17:15 吉備池

17時を過ぎて陽もだいぶ傾いてきた。この日はここで〆よう。吉備池ほとりの吉備池廃寺(国史跡)は百済大寺の跡地と推定されている。百済大寺は大官大寺・大安寺へと系譜が繋がる。
さて吉備池のほとりには来たものの、どうしたものやら。池の周囲をめぐる道は大半が藪化しているし。どこぞに石碑なり説明板なりないものか、それらを撮れさえすれば満足なんですけど・・・。頑張って、池を半周したものの特に何も見当たらない。その先は藪がひどいので引き返してしまいました。
あとで調べてみたところ、どうやら金堂跡までは行っていたらしい。しかし特に何も見当たらなかったんだけどなぁ。ホントに何も無かったのか、はたまた藪に隠れていたのか。
ちなみに写真中央の小塚は塔跡のようです。そこまではたどり着けなかった。

17:55 香久山駅出発

桜井線に乗って帰還。吉備池からは桜井駅よりこっちの方が近いみたいっす。さすがに疲れたのか座ったらそのまま終点奈良駅まで舟を漕いでおりました(_ _).。o○

*1:写真中央の拝殿奥に隠れている。