平家と福原京の時代/歴史資料ネットワーク 編/岩田書院
- 作者: 歴史資料ネットワーク
- 出版社/メーカー: 岩田書院
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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2004年1月に開かれたシンポジウムの記録集。2004年1月って、書籍化されるまで随分時間が空いているようなのが気になるんですが。まー、それはそれとして、このシンポジウムは2003年に行われた神戸大学医学部附属病院構内における平氏時代の二重壕および櫓跡と推定された遺構の発掘を受けて開催されたものだそうなんですが、2003年って私9月に1日かけて神戸の史跡を歩き回ったんですけど。(^^;
→http://www2.pf-x.net/~sanraku/kansai02/index.htm
しかも福原関連の史跡にも行ってるし、神戸大学医学部附属病院の前の通りも歩いていたのですが、そんな発掘が行われているなんて全く知らずに素通りですよ。うーん、世の中どこで何が起こっているか分からんもんですなー。
で、本書の内容としては勿論福原の都に関する諸問題がテーマなのですが、これがなかなか興味深い話題が多いです。
そもそも「福原遷都」と何気なく使っていますが、果たして実態は遷都といえるのか、という根本的な問題や、安徳天皇の内裏の位置がどこに比定されるのかという問題。そして発掘された二重壕はどのような意図で築かれ、どのような役割を果たしていたのかという問題など、好奇心をくすぐられます。
ただし、研究の途上にあって結論がハッキリ出ている訳ではないので、今後の研究の進展に期待したいところ。