日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

最後の青森・函館フリーきっぷ旅/1日目/松前町

寝台特急あけぼので青森駅到着後、すぐさま函館行きの特急に乗り換えて北海道に上陸。これでもう今年3度目となりますが、今後はおいそれと来られそうにありませんから、チャンスがあるうちに行っておきませんとね。
さて、初日に向かった先は最北の城下町松前木古内からバスで1時間半という場所にあり、なかなか行けずにおりましたが、今回ようやく訪問することが叶いました。


(10/31更新完了…冒頭写真は松前城天守と本丸御門)

寝台特急あけぼの(大宮→青森)

何度か目が覚めたのですが、普段の疲れが残っていたので、結局起床したのは9時近くになってから。既に列車は津軽平野に差し掛かっておりました(^^;


9:56青森駅到着。早速撮影に取り掛かります。




ひととおり撮影しましたが、乗換時間がわずか5分しかないので非常にドタバタしました。しかも乗換階段は後方にしかなく、先頭の機関車を撮ってからダッシュするハメに(^^


そんな慌ただしい中、リゾートあすなろを発見。今冬デビューのハイブリッド新型車両で、新青森蟹田間、新青森・大湊間で運行されるそうです。乗りたいなぁ。

特急スーパー白鳥95号(青森→木古内

10:01に青森駅を出発し、木古内まで1時間20分弱。指定席が取れなかったので自由席だったのですが、これが物凄い混みよう。とても座るどころの話ではなく、仕方がないのでデッキ立ちと相成りました。次の列車を待っても良かったのですが、あの混雑ぶりからすると、どのみち青森からでは座れなかったでしょう。


木古内駅で下車。ここで松前行きのバスに乗り換えますが、1時間待ちです。


時間があるので少し街歩きに出てみましたが、駅前通りは閑散としていました。どんよりとした天気もあって、物寂しい雰囲気です。

みそぎ浜

10分ほど歩くと海に出ました。毎年1月に行われる寒中みそぎ祭りの会場だそうです。


冬場の北海道の海だなんて、考えるだけでも寒くなります(^^; 今年の三月に北海道をめぐったときのことを思いだします。あのときはメチャメチャ寒かった・・・海に入るなんてとてもとても。


東の彼方に浮かぶ影は函館山

函館バス木古内駅前→松城)

12:35発のバスで松前を目指します。乗車率はそこそこ。
木古内松前間の運賃は1220円。発車前に両替しようとしたところ、松前往復するならバスカードがお得だと運転手氏に教えてもらい、その場にて購入。2000円で2200円分使えます。


車窓から海が見える区間も多いです。お天気がこれなので残念な感じですが、快晴なら間違いなく素晴らしい風景でしょうね。


14時過ぎに松前町中心部に近い松城停留所に到着。

松前城

少し遠回りをして藩士の登城ルートをたどって本丸を目指します。


初代藩主松前慶広の四男由広が暗殺された場所で、由広の通称数馬から馬坂と呼ばれるようになったとか。


馬坂を登りきると三の丸。このあたりは復元整備されています。ただ、天守へと急ぐので後でまた来ることにしました。


搦手二の門(復元)を通過。


すぐ目の前に本丸正門があります。模擬城門。
天守への入場受付となっています。入場料350円。


幕末の1854年に完成した松前城(福山城とも)。最後の近世城郭です。それまでの福山館を大改修しての築城でした。
そして日本最北の近世城郭でもあり、天守も日本最北でした。その天守戊辰戦争と太平洋戦争の戦火を潜り抜けたものの、残念ながら昭和24年に焼失。昭和35年に鉄筋コンクリートで復元されました。


天守内部はお馴染の資料館となっています。


天守最上階の格子窓からは海が望めます。海に近い立地のため、戊辰戦争では艦砲射撃を浴びて二度の落城経験も。


そんな松前城の現存建築がこの重厚な本丸御門。重要文化財です。


北側に回ると内堀越しの天守が見られます。ちょっと木が邪魔ですが(^^;


本丸御殿跡は原っぱになっていました。
さて、ここからは一旦松前城を離れて北側の寺町を散策します。

龍雲院

1625年創建の寺院。本堂・庫裏・惣門・鐘楼・土蔵の5棟が重要文化財です。


惣門の彫刻。寺名に因んだデザインがいいですね!



法源

山門が重要文化財です。

法幢寺

松前家の菩提寺

松前藩松前墓所

歴代藩主と妻子の眠る地。国指定史跡。



北国らしく石造覆屋が立ち並ぶ墓所。覆屋の中に五輪塔が入っています。


初代藩主松前慶広の墓。「五世」とあるのは、松前氏の始祖武田信広から数えたもの。


幕末の藩主松前崇広の墓。外様でありながら幕府老中を務めた実力者。松前城を築城したのも彼です。しかし無勅許で兵庫開港を決定したため罷免され、その翌年に松前であっけなく病死。享年38歳。彗星の如く現れ、彗星の如く去っていった、動乱の幕末らしい人物です。


松前は全体的にも静かで落ち着いた街ですが、特に寺町あたりは良い雰囲気です。

阿吽寺

松前藩祈願寺。山門は松前城からの移築城門です。

松前町郷土資料館

福山館へ移転するまで蠣崎氏(後の松前氏)の居館であった大館跡(国史跡)を探してこちらへ。
この背後の丘陵地が館跡で、登り口がこの付近にあるということでウロウロしたものの結局分からず。そこで資料館へ入ってみましたが、無料のためか係員も誰もいませんでした。次に館内の図書室へ行って資料がないかどうか尋ねてみたところ、どうもこちらには無いようでしたが、わざわざ教育委員会の方に電話して下さり、結果としては徳山大神宮の裏手から登ることが出来るものの、整備されておらず藪がひどいうえに、熊も出没するらしいのでおススメできない、とのことでした。

徳山大神宮

その徳山大神宮。資料館の近くにあります。名前負けしている感は否めません(^^;


江戸時代後期、国後島で捕囚となったロシア軍人ゴローウニンが幽閉された地でもあります。ロシア側に捕まった高田屋嘉兵衛との交換で解放されました。


神社の裏手、この先を進めば大館跡へ行けるのでしょう。確かにあまり整備されている様子はないし、薄暗くなってきたので、無理しないことにしました。

松前城

松前城に戻り、先ほどすっ飛ばしたところを拾い歩きしていきます。まずは二の丸の二重太鼓櫓跡。


ここからも海が望めます。



外堀の周辺は板塀や石垣が復元されています。西国で見られるような高石垣ではなく、上部を土居で固めた腰巻石垣です。


復元された天神坂門。


天神坂を下りて松前城を後にしました。
松前散策はこれにて終了。松前といえば桜なので、桜の時期にも訪ねてみたいものです。そして今度は、出来れば天気の良いときに。


少しばかり時間ができたので、遅い昼食をいただきます。温泉旅館矢野の併設レストランのあわび飯です。

函館バス(松城→知内駅前)

17:46発の木古内行き最終便に乗車。ゆっくり食事し過ぎたのか、時間ぎりぎりになって焦りました(^^;;
実際はバスが若干遅れていたので余裕はあったのですが、既に早めに出てしまったのではないかと、とっても不安に。そもそも日没後の見知らぬ土地の人気のないバス停で最終便を待つということ自体がとても心細いことです。
何はともあれ無事に乗り込んだ最終便はガラガラ。先客はひとり。しかもすぐに降りてしまい、途中からの乗客もふたりのみ。18時前に最終便だなんて早過ぎると思っていましたが、これでも過分だったようです。
そして1時間後、小雨がぱらつく中、知内駅前に到着。松前・知内間の運賃は960円で、バスカードが20円分余りました。

特急スーパー白鳥21号

1日2往復のみ停車する過疎駅。道の駅が併設されているものの、周辺に集落はありません。その道の駅も物産館は既に閉まっていて、夜はとっても心細い場所です。心配性な人は無理せず木古内まで行った方が無難でしょう。先ほどのバスで木古内まで行っても、これから乗る特急に乗ることはできます。むしろ知内では時間を持て余すくらいです(苦笑)


当然無人駅で、こんな場所ですから他に乗客などいるハズもなく、駅は静まり返って雨音しか聞こえません。


屋根もなにも無い簡素なホーム。


19:24発の函館行きが到着。正直、こんなところに本当に停車するのかどうか不安だったので、なんだかホッとしましたよ(^^;
乗り込んだ自由席はガラガラ。以前もそうでしたが、昼間は激混みでも夜は空いているので狙い目です。


20:09函館駅到着。今宵は函館泊です。



函館も雨。残念ながら明日も天気はすぐれないようです。