京都奈良編/6日目/大和郡山市・奈良市
6日目は大和郡山市の市街中心部と、近鉄橿原線沿線、余裕があれば橿原線繋がりで西の京へ、というプランでスタート。天気は朝から見事な快晴。それはいいんだけど、昨日よりも日差しが強く、紫外線が肌に痛いくらい。ちょっと晴れすぎ。
8:55 JR奈良駅出発
本日はゆっくりめのスタート。
9:00 郡山駅到着
1駅であっという間に到着。JRの駅は市街中心部から東に外れているためか、駅前は静かな雰囲気。かといって寂れているわけではない。
9:15 薬園寺
本堂は市有形文化財。境内が狭く細長いので、フレームに入り切らないのが難。
9:20 薬園八幡宮
境内では工事が行われており、邪魔にならないようコソコソと見学。県有形文化財の本殿を探してウロチョロしていると、神社関係者と思しきおばあさんに出くわす。こんな時代だもの、不審者と間違われないようにしなければ。とりあえず本殿について伺ってみると、色々とお話していただいたうえに、由緒書までいただいてしまった。ありがとうございました。
9:30 実相寺
本堂前にある石造十三重塔は市有形文化財。
9:40 源九郎稲荷神社
10:15 大和郡山城
城跡(県史跡)に現存城郭建築は無く、見られるのは復元されたものですが、趣があってなかなか様になってるじゃありませんか。まずは橿原線の線路越しに追手東隅櫓及び多聞櫓を撮影(写真左)。近鉄電車とのコラボにも挑戦したが上手くいかず。ガックリ。
踏切を渡って追手門へ。追手向櫓及び追手門を内堀越しに撮影(写真右)。
追手門より法印郭へ。ちょっとした公園のようになっていて、保母さんに引率された園児たちが無邪気にはしゃいでおりました。遠足かな? 木陰で写生をしている老人グループもいて、とってものどかな雰囲気。
さて、ここに鎮座するは旧奈良県立図書館の市民会館(県有形)。城郭建築ではなく和洋折衷の近代建築。
10:40 柳沢文庫
追手門を出て南の毘沙門郭へ。柳沢文庫は、大和郡山藩主・柳沢家の史料を中心に所蔵する図書館であり、また城跡の保存管理にも当たっているという。城跡の整備は・・・されていない部分がちょっと多いような。言い換えると自然が豊かというか(笑)
柳沢文庫の建物は旧柳沢伯爵邸を移築改造したものだそうで、なるほどどおりで立派な車寄せを持つわけだ。館内では『ペン画にみる日本の城と鯱〜東日本〜』という展示をやっていたのでちょいと覗く。入館料200円。
11:00 柳沢神社(天守台)
柳沢文庫の脇から小道を辿って天守郭へ。ここには柳沢吉保を祭神とする柳沢神社が鎮座。その奥に天守台が控えております。石仏・石塔などを石垣に転用したことで有名で、特に「さかさ地蔵」には説明板も出ているのですが、あんまりよく分からんでした。まあともかく天守台に登ると周囲が一望できる。平城のように見えて、やはり地形は意識されているのだ。
11:25 永慶寺
城跡を離れて南へ向かうと、柳沢家の菩提寺である永慶寺の立派な山門(市有形)が見えてきた。大和郡山城から移築されたもので、大和郡山城で唯一現存する建造物だそうだ。
また、境内裏手には近代以後の柳沢家の墓所があります。
12:05 近鉄郡山駅出発
市街中心部にある駅ですが、まったくもって普通の駅。15万石の城下町も今では特急が通過する街か・・・ちょっぴり切ない。
駅前で女子高生にどうやら最後の1枚のビラを貰う。吹奏楽コンサートの案内だった。ゴメンね、旅行者だから見にいけないわ。というか、傍目からは旅行者ではなく街に溶け込んで見えたということなのかも。滞在6日目だから身も心もすっかり奈良県民?!
12:55 額安寺
昼を過ぎて日差しが一番きつい時間帯。紫外線のあまりの強さに頭がくらくらしてくる・・・これがやばくなると日射病になるんだろうな、などと思う。帽子でも持ってくればよかったのだが、手持ちのバインダーをかざして当座をしのぐ。あまり見られた姿ではない(+_+)
額安寺までの道のりは遠い。暑くて遠い、まさに二重苦だが、それでも無事到着。さて、苦労してわざわざこのお寺にやってきたのは、もちろん文化財見学のため。市有形文化財の本堂と宝篋印塔、そして重要文化財の五輪塔8基。本堂は山門から見えた(写真左)。宝篋印塔は案内標識の通りに向かってみるが、説明板はあれど姿が見えない ('' ) キョロ ( '') キョロ
しばらくウロウロしてようやく気が付いた。池の中島にあったのだ。藪の中から宝篋印塔の先が頭を覗かせているよ(写真左)。中島に渡る道は無さそうなので、これで諦める。
あとは五輪塔だが本堂の裏手に墓地があるようなので、拝観受付へ向かう。だが受付のおねいさんに話を聞くと、五輪塔のある場所はここではないという。これは聞かなきゃ分からない。暑い中、無駄に歩き回らずに済んだ、助かった。しかもだいたいの場所を教えていただいたうえに、拝観もせぬのにパンフまでいただいてしまった。感謝感涙(;_:) さっそく伺った場所へと向かう。
13:15 額安寺五輪塔、額田部窯跡
聞いていた場所はあくまでだいたいのだったので不安はあったが、まったくの杞憂に終わった。次の訪問予定地・額田部窯跡(国史跡・写真右)のすぐ近くで、これなら知らずともたどり着けたんじゃないかな。もちろんその場合は額安寺を歩き回ってへとへとになっていただろう。
さて、五輪塔見学にあたり中に入ってもいいという許可を得ていたので、入口の扉を開けようとしたのだが、閂が錆び付いていてちっとも動かない。何かコツでもあるのだろうか。途方に暮れたが、柵の外から眺めるだけでよしとする。
ところで額安寺五輪塔として重要文化財の指定を受けているのは全部で8基。しかしここには9基の五輪塔がある。仲間はずれの1基はどれなんだろう?
13:50 筒井駅到着
橿原線で1駅戻る。こちらは鈍行のみの停車駅だが、駅前にはそれなりの商店街がある。こっちこそ急行が止まるべきなんじゃない?(^^;
とりあえず駅前の食堂で食事休憩。ようやく一息つけた。
14:15 筒井城跡
駅前から徒歩5分ちょっと。細い路地の先、民家の裏庭(?)にご覧のような石碑が建っている。路地は私道ではないようなので、見学に問題は無いだろう。
筒井城は、筒井順慶が大和郡山城に移るまで、筒井氏代々の居城。城跡は、ほとんどが宅地や畑地となっているが、堀や土塁が名残りを留めているという。中世城郭マニア向けだろう。
14:20 菅田比売神社
筒井城本丸跡とされる場所。とりあえず立ち寄ってみた。
14:35 筒井駅出発
14:50 薬師寺
北受付より入場。拝観料500円。
かなり壮大な伽藍だ。残念なことに、そのほとんどが昭和以降に再建されたもの。特に大講堂(写真左)は2003年に再建されたばかりで、ご覧のようにまだ真新しい。さらに大講堂の両脇から回廊*1の再建が進んでいた。戦国時代に焼失した大伽藍復活の日も近そうだ。
この大講堂から南を望むと、東塔・金堂・西塔*2が一同に会した雄姿を拝むことができる(写真右)。しかし生憎私のカメラでは写角が足りないようで、フレームに収まりきらなかった(泣)。
薬師寺にある2つの国宝建築のうちのひとつがこの東院堂。伽藍の東南、回廊の外に位置するせいかちょっと地味かも。団体さんは軒並みスルーだったし。
創建当初、奈良時代の建築物で唯一現存するのが東塔。もうひとつの国宝建築はもちろんこの東塔! 言うまでもなく薬師寺のシンボルですね。
16:05 唐招提寺
橿原線沿いを北に向かい、唐招提寺へ。拝観料600円。
南大門正面に見えるハズの金堂(国宝)は解体修理中ということで、工事用の覆堂にすっぽり覆われていた。2000年から2009年までかかるという大がかりな工事だ。修理が終わったらまた行かないといけないね。
金堂は見学できませんでしたが、唐招提寺にはまだ他に4つの国宝建築がある。まずは金堂の裏に建つ講堂(写真左)、そして金堂の北東に建つ鼓楼(写真右)。さらに校倉造の宝蔵・経蔵。
これだけの国宝建築を擁していても境内は随分と落ち着いた雰囲気で、華やかな薬師寺とは対照的。観光客も少なめで・・・拝観時間終了(17:00)が迫っているせいもあるかもしれないが。
最後は境内北東、林の中にある鑑真和上御廟(写真左)へ。写真右は南北に細長い礼堂(重文)。
16:50 唐招提寺奥の院
唐招提寺南大門前の道を西へ。橿原線の踏切を越えて暫く進むと奥の院の境内が見えてくる。別名西方院。
県有形文化財の西方院五輪塔を探しにきたのであるが、どこにあるのかよく分からない。五輪塔だから隣の墓地にあるんだろう、と見当をつけて探してみると、ちょっと目を引く大きさの五輪塔を発見。それが写真の五輪塔。しかし説明板などはない。こんなときこそ普段使わない携帯を活用だ、とネット検索。
→http://www.pref.nara.jp/bunkaz/shinshitei/h7/saihouin.pdf
うーん、サイズ的には適合してるんじゃないかな・・・水輪*3が大きめのずんぐりむっくり形のところなんか特に。それに唐招提寺中興の祖・覚盛の廟塔という言い伝えられていたということで、この五輪塔脇の石標に覚盛の廟と刻んであったのも適合するし・・・ということで、これだろうとの結論に至って墓地を後にした。
が、あとでもう一度検索してみると、なんだかどうも雲行きが怪しい。西方院の隣にある墓地ではなく、西方院境内の旧護摩堂横にある、というのだ。
さらに先ほどのpdfのリンク元には、写真へのリンクが貼られており、それを見るとちょっと雰囲気が異なる気がする。とはいえ、この写真の五輪塔はずんぐりむっくりじゃないし、旧護摩堂横という情報もそれ以上の内容が分からないし写真もない。
結局、ハッキリさせるためにはもう一度行って、西方院境内を調べてみる必要がありそう(´ヘ`;)