幕末遣欧使節団/宮永孝/講談社学術文庫
- 作者: 宮永孝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/03/11
- メディア: 文庫
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- 第1章、渡航
- 第2章、フランス入り
- 第3章、イギリスへ
- 第4章、オランダ滞在記
- 第5章、プロシア(ベルリン)
- 第6章、ロシア(ペテルブルグ)
- 第7章、最終訪問国ポルトガル
- 第8章、帰航
- 第9章、使節の歴史的評価
開港開市延期交渉のため、文久二年(1861)に欧州諸国*1へ派遣された使節団の出発から帰国までの丸1年に及ぶ足取りをたどった一冊。
江戸幕府による遣欧使節・留学生は、この文久二年を皮切りに短期間のうちに立て続けに派遣されているとのこと。そんなに派遣されていたのかとビックリ。そして悲しいことに彼らの渡航経験は帰国後それほど活かされなかったようです。文久二年の使節が帰国した文久三年は、生麦事件・イギリス公使館焼き討ち事件など攘夷の嵐が吹き荒れていて、洋行体験を話すことすら憚られたそうですし、何より幕府が5年後には崩壊してしまうのですから仕方ないところでしょう。
ちなみに著者はちょうど1年前にやはり講談社学術文庫から『万延元年の遣米使節団 (講談社学術文庫)』を出しています。どちらも底本があっての文庫化であり、他にも文庫化されていない洋行関係の著書があるので、また来年あたりにまた1冊文庫化されるのかも、と期待。