日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

喧嘩両成敗の誕生/清水克行/講談社選書メチエ

喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ)

喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ)

  • 第1章、室町人の面目
  • 第2章、復讐の正当性
  • 第3章、室町社会の個と集団
  • 第4章、室町のオキテ
  • 第5章、喧嘩両成敗のルーツをさぐる
  • 第6章、復讐の衝動
  • 第7章、自力救済から裁判へ


喧嘩両成敗の成立過程を考察し、それを通して中世社会*1を描き出しています。興味を惹く事例が豊富で、著者の見解も刺激に溢れています。面白いので、素直にオススメできる本。
それにしても、中世の人々はすごい。改めて感じさせられた。いや、なんと言うか「すごい」という言葉が的確かどうか分からないけど、他に形容する言葉が思い当たらないのでひとまずそう言っておきます。彼らの強烈な名誉意識、ほとばしる激情、そしてよく分からん衡平感覚。現代人の視点からすると無茶苦茶なのですが、よくよく考えてみると程度の差はあれ、現代人にも通ずる点があるようにも思う。まぁ、現代との比較はドツボにはまりこむのであまり深入りはせずにこの辺で。

*1:室町時代中期が中心かな。