日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

歴史読本2006年11月号 天皇家と宮家/新人物往来社

歴史読本 2006年 11月号 [雑誌]

歴史読本 2006年 11月号 [雑誌]

これまでも度々組まれてきた宮家関連の特集ですが、今回は近世以前に比重が置かれているのが特徴。各宮家の人物系譜総覧(歴代当主の簡単な略歴付き)があるのも嬉しいじゃあないですか。


特集ドキュメントも、あまり取り上げられることのなかったものをテーマとしていて面白い。特に下記の三本が興味深かった。

  • 桂宮家と女性当主/久保貴子
  • 宮門跡の還俗/藤田大誠
  • 戦前の皇族降下/梶田明宏


桂宮家は明屋形になっていることが多く、まるで徳川御三卿・清水家のよう。世襲親王家のひとつといっても、実際は天皇の皇子を皇族としてプールしておく器として機能。しかし幕末の天皇家は綱渡りの皇位継承を続けていて余裕はなく、しかも何とか入れ込んだ皇子は二代続けて夭逝してしまう不運。
しかし、そんな当主不在の桂宮家でも仕えている人々がいて、彼らが請願して迎えたのが孝明天皇および先代桂宮の姉である淑子内親王。おお、もう・・・何とも涙ぐましい話です。



ところで、人物系譜総覧で伏見宮の項をみていて気になった点がひとつ。伏見宮二代の治仁王と三代の貞成親王の兄弟関係が逆転している。弟である貞成親王の方が9つも年上になっているのですが、これはいったい?