平将門の乱/川尻秋生/吉川弘文館
- 作者: 川尻秋生
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2007/03/16
- メディア: 単行本
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- 1、平将門とその時代
- 2、将門の乱を探る
- 3、独立国家の夢
- 4、後世への影響
「戦争の日本史」シリーズの第4巻。
基本史料である『将門記』についての解説をはじめ、基本的なところもキッチリ抑えてくれているので非常にありがたいですね。将門研究には必携でしょう。
武士の成立について平将門の乱をその契機とする見解も大変興味深いです。
興味深いといえば、平将門を告発した源経基が禁固された件についての指摘も興味深い。従来は誣告によるものだとされてきたわけですが、
律令制下の裁判では、告訴が取り上げられると同時に、告人(告訴した人物)も拘禁されたのである(獄令告密条)。したがって、この史料は、従来とはまったく逆に、経基の告訴が正式に取り上げられたことを意味する非常な重要な*1ものである。
ということだそうな。
これだから歴史はこわい。基本的な知識の欠如、ちょっとした解釈の違い、そういったことで歴史事実の認識がまるっきり正反対になってしまうのですから。