日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

一豊と秀吉が駆けた時代/長浜城歴史博物館 編/サンライズ出版

長浜城歴史博物館で開催中の企画展の図録。


巻頭の小和田哲男氏の寄稿で見性院の出自について触れているのですが、そこに近江出身説に関する史料を紹介していたのでちょっと気になった。
それは山内家が編纂した『御家中名誉』という史料に収められている、不破内匠重正が提出した書出で、内容は大河ドラマの設定同様のこと、つまり見性院の父は若宮喜助であり、母の姉妹が不破市之丞重則の妻である、という。
不破重正は市之丞の息子で、山内家に仕えた人物。山内家への提出資料に、何の根拠もなく見性院の従兄弟であると主張することは考えにくい。そうなると近江出身説も説得力を持ってきて、なかなかに捨てがたい。困った。