藤原忠実/元木泰雄/人物叢書
- 作者: 元木泰雄,日本歴史学会
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
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藤原忠実の前半生については基礎的な知識も欠けているので、読んでいて新鮮なことが多いです。主なところをいくつか挙げてみましょう。
摂関家四代(師実−師通−忠実−忠通)の年齢差が少ないこと
師実−師通が20歳差、師通−忠実が16歳差、忠実−忠通が19歳差。師実〜忠通でも55歳差に過ぎない。すなわち師実が56歳*1のときに曾孫忠通が生まれている。長い歴史上でみれば珍しい事例ではないかもしれないけど、やっぱり詰まり過ぎですって!
お陰でちょっと年代感覚がずれてしまう。師通が38歳で若死にしたとき、忠実は幼少のため摂関家は白河院に従う他なく・・・のような理解をしていたのですが、もうこのとき既に忠実は二十歳を越えているんですよね。しかも隠居の師実がまだ生きているってのが、どうもいまひとつピンとこない。
長男忠通の命名候補に「兼実」
のちに忠通が息子に付けた名前ですが・・・自分のときに不採用となったものを息子に付けるってのもよく分からん感覚です。
*1:数え年