戦国繚乱/高橋直樹/文春文庫
- 作者: 高橋直樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/12
- メディア: 文庫
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さて本書は、著者の名作『鎌倉擾乱 (文春文庫)』を彷彿とさせる表題。短編3本で構成されている点も同じだ。しかし比較するならば、こちらの方が完成度が低いように思われる。
城井一族の殉節
豊臣秀吉の九州征伐後、転封を忌避して反乱を起こし、最後は滅亡した城井宇都宮氏の物語。
戦国時代から近世へのうねりを乗り切れなかった話は個人的に好きなテーマ。しかし、序盤と〆は城井宇都宮鎮房の娘を中心に描き、中盤はその兄朝房を中心に語られていることもあって、全体として散漫な印象を受ける。短編なので、視点を絞った方が良かったように思うのだが。