日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

聖徳太子/本郷真紹 編/吉川弘文館

和国の教主 聖徳太子 (日本の名僧)

和国の教主 聖徳太子 (日本の名僧)

  • 厩戸皇子の面影 直木孝次郎
  • 史料を調べること 林幹彌
  • 聖徳太子」から大和飛鳥の厩戸王子へ 門脇禎二
  • 一、聖徳太子の魅力 本郷真紹
  • 二、「聖徳太子」像の形成 本郷真紹
  • 三、黎明期の日本仏教と聖徳太子 曾根正人
  • (つづく)

近年盛んに論議されている太子実在非実在論争。山岸凉子の「日出処の天子」を読んで以来の太子ファンである私も、御多分に漏れず興味をもって関連本を何冊か読んではいるのですが、読むほどによくわからなくなっちゃちゃれ。
まず、史料の問題に仏教史(特に教義)や美術史が絡んでくるので、そっち方面がサッパリの私にはチンプンカンプン。
次の問題は、否定していくとタマネギの皮むきと一緒でなんにもなくなっちゃう、ということで、非実在派にしてもどこまで否定するのか定まっていない模様。
そんなこんなで悩める子羊は、救いを求めて本書を読み始めたが、まだ一筋の光は見つからない。
ただ、当時の東アジアの仏教レベルと日本の仏教史の流れから、宗教家としての聖徳太子の妥当性を推定するという三章はなかなか読みごたえがあった。