王朝の変容と武者/元木泰雄 編/清文堂出版
- 作者: 元木泰雄
- 出版社/メーカー: 清文堂出版
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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まったりと読み進めています。
それにしても分厚くて重い。持ち運びには不便な本です。そもそも持ち歩いて読むような本ではないのかも。値段はお手頃*1なんですけどねー。
本書は「古代の人物」シリーズ全六巻の最終巻。まー、最終巻とはいっても変則刊行ということで、本書が最初に刊行されているんですが。で、そのシリーズの一冊ということで、内容は複数の人物論をまとめたものとなっとります。
「人物叢書」や「ミネルヴァ日本評伝選」などをもう少しライトにしたって感じですかね。それでかつ何人分かをまとめて、タテヨコの繋がりを持たせているので、その時代の背景も見えてくるっていうか何ていうか、そんな感じです。なかなか面白い企画じゃないでしょうか。
平板になりやすい個々の人物論も刺激に富んでいる。藤原実資・藤原行成の2人に関しては、従来の画一的な評価*2に対するアンチテーゼというか、学術的に再検討したうえで疑義を呈しています。
んー、人物評価って難しい。どうしても一面的になりやすいですもんねぇ。
あとは、東三条院詮子の章を読んで「女院」への興味が。普段(?)何気なく使用している「女院」という歴史用語ですが、実のところあまり理解していなかったもので。とりあえず、太上天皇に準じた地位であるということを認識。女の院(太上天皇)ということだから、特に難しいこともないか。