女性天皇論/中野正志/朝日選書
- 作者: 中野正志
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/09/11
- メディア: 単行本
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座して死を待つならともかく、存続させるためには兎にも角にも皇室典範を変えなきゃなるまい。その第一が女帝・女系を認めることだが、それを納得させるためとはいえ、女帝中継ぎ論や万世一系説をチクチクと非難しても仕方がない。
万世一系を欠史八代や三王朝交代説で否定しているが、古代の話だしねぇ。継体や光格などの女系を介した継承も挙げているが、この場合は傍流とはいえ皇族であるから女系はあくまで補助的役割すなわちサブで、皇室とは縁もゆかりもない者を皇配殿下に迎えるのとは訳が違うんじゃないですか?
まあ、つまるところ私がいいたいのは歴史に女帝の正当性を求めても仕方がないということで、とっとと内親王・女王に皇位継承権を与えないと途絶えちゃうよ、ってこと。結婚して降嫁されてしまったら取り返しつかん。幼い内親王だけでなく、傍系の女王も宮家継承・創設を認めないと結局はジリ貧に。
旧皇族を養子にっていう話もあるが、その養子からドーンと子孫が繁栄するならともかく、そうでなければ再び断絶の危機に陥り、しかもそのときは手の施しようがない。
しかし最終的には、男系相続という天皇家のアイデンティティーを失ってまで存続せねばならぬかどうかという問題に行き着くけど、私には大きすぎて抱えられない。