日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

天地人 第4回「年上の女」

前々回放送分。
長澤まさみキャラは如何にも歴史小説の登場人物といった感じですね。小説でなら特に違和感を持つことはないのですが、映像化してしまうと途端に違和感が(苦笑) さらには放送開始後に設定を変更するという前代未聞の事態まで。架空キャラの扱いは慎重にお願いしますよ。


さて、今回の出来事といえば、越中からの凱旋と上杉景虎の婚儀、それと洛中洛外図屏風の件。
前二者については前回言及しました。越中出陣は8月ですが、ドラマでは何故か7月。わざわざ一ヶ月ずらす意図が分からない。上杉景虎の婚儀は元亀元年(1570)のところ天正元年(1573)まで引き延ばされました。これはドラマの展開の都合でこうなったと思われますが、改変の必要性は疑問視せざるをえません。


織田信長から上杉謙信に贈られたという上杉本洛中洛外図屏風は、天正二年(1574)3月に届けられたとみられます。
このとき、謙信は残念ながら春日山におりません。年始めから関東に出陣し、東上野で由良氏と交戦中で、帰国したのは5月になってから。ちなみにこの出陣前、謙信は信長と徳川家康武田氏への牽制を依頼。家康は応じたものの、信長は出兵せず、帰国後謙信はそのことを責め、信長は弁解している。
屏風に謙信が描かれているかどうかなどより、実際にはこちらの方が重要な問題だったことでしょう。
だいたい、贈答品の屏風に描かれたたくさんの人物の中に謙信がいたからといって、それが重要な政治的メッセージとなりうるとは考えがたい。ちょっとした遊び心のレベルでしょうね。