日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

足利義持/伊藤喜良/人物叢書

足利義持 (人物叢書)

足利義持 (人物叢書)

父と弟の陰に隠れてイマイチ地味な義持公ですが、彼もまた結構な癇癪持ちのキレキャラなんですね。諸大名や朝廷との協調を基本路線としているとはいえ、突如を振るわれた専権に泣いた諸大名・側近・公家も多数。血は争えないということか。


ただ、癇癪持ちというだけでなく、確固たる信念も持ち合わせている点も見られます。父のように朝廷の支配には乗り出さなかったものの、准摂関家という地位に強いこだわりがあったり、明との外交においても冊封関係の解消という方針を一貫して崩しません。


そして興味深いことに、籤引公方を生み出した後継者問題に関してもそれが伺えます。
最期まで後継者を選定しなかったことから、それを投げやりな行為として、退嬰的な人物というイメージを持っていたのですが、実のところは、男子誕生を願い、かつ石清水八幡宮神慮にも男子出生と出たことから、最期まで後継者を決めずにいたようです。
まあ、信仰心の篤い義持らしい一途さと言えるでしょうけど、周囲からしてみれば頑固すぎて傍迷惑ですよね。