ふたり道三/宮本昌孝/新潮文庫
- 作者: 宮本昌孝
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GWの北陸旅行から読み始めて半月。ようやく読み終わりました。
タイトル通り、斎藤道三の美濃盗り父子二代説をベースにしていますが、そこはそれ、宮本作品ですから設定が凝っていますし、予想もつかない展開の連続です。特に序盤は、これがどう道三父子二代説に結びついていくのか、あるいは父子二代説は関係ないのかも、などとハラハラドキドキ。
ちなみに斎藤道三の美濃盗り父子二代説とは、従来道三の一代のこととされてきた事績が実は親子二代に拠るものであったとするもので、『六角承禎条書写』という古文書に基づいていることから、現在では定説の地位にあります。ただ、道三一代説に拠って書かれた『国盗り物語』の影響力が未だ強固であるゆえ、まだ一般に浸透しているとは言い難く・・・。
それに私も知っているのはここまでで、父子二代説が戦国美濃史の研究にどのような影響を与え、どのように書き換わったのか、などのその先の広がりは全く知らないですし、そもそも戦国美濃史の流れもほとんど知らないことを本書で思い知らされ・・・ま、興味は出てきたので機会があればちょっと勉強してみようと思います。