藤原忠実/元木泰雄/人物叢書
- 作者: 元木泰雄,日本歴史学会
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
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- 第七、関白の罷免
- 第八、政界復帰
- 第九、大殿忠実
- 第十、分裂する正解
- 第十一、孤立と頼長の挙兵
- 第十二、幽閉と死去
- 第十三、著述と思想
- 第十四、家族と邸宅
後半は淡々と読んできましたが、家族に関する最終章にひとつ気になる記述が。藤原忠実の娘のひとりに、高階基章の妻との間に密通して儲けた子がいることについて以前*1言及しましたが、この娘に関する記述です。
本著の参考文献にも挙げられている『清盛以前―伊勢平氏の興隆』の著者高橋氏は密通事件を「だいぶ昔の話」と推測しているのですが、元木氏はこの娘の死去を記した『台記』に宮仕えや夫に関する記述が全くないことから幼女の死去を示唆しているのではないかと推測し、明言はしていませんが「平清盛の最初の妻で平重盛の母である高階基章の娘が、藤原忠実の隠し子」であるという高橋説を否定しています。
んー、こりゃ自分の目でも『台記』の記述を確認してみる必要がありそう。