日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

周遊きっぷ岡山・倉敷ゾーンの旅/3日目/津山・姫新線沿線

昨日の備中松山城に続いてこちらも6年ぶりの津山城へ。


(2/17更新完了…冒頭写真は津山城天守台付近)

津山線(岡山→誕生寺)

6:04発の始発列車でスタート。
平日なので通勤通学客で混み合うかと思いきや、意外に空いていました。


朝日が昇る時間帯。


旭川沿いの山間に入ると霧が出てきました。



残念ながらどんどん曇ってきてしまいました。


岡山を発って約1時間、誕生寺駅で途中下車しました。
途中駅で続々と乗りこんで来た高校生で混み合う列車をお見送り。


誕生寺駅は小さな木造駅舎の無人駅です。


新しめで綺麗なため、風情に欠けてしまう点が残念。

誕生寺

駅から徒歩十数分。法然上人の生誕地に建てられたという寺院。
開基は法然の弟子となった熊谷直実(法力房蓮生)。


平日の朝7時半。参拝客は誰もいません。


本堂である御影堂。江戸時代の建造物で、山門とともに重要文化財に指定されています。


境内には少年時代の法然(勢至丸)の銅像。
法然の父・漆間時国は、この地の豪族でしたが勢力争いの結果、夜襲を受けて落命。まだ幼なかった勢至丸少年は父の遺言により仏門に入ることとなり、延暦寺へと向かう場面を描いたものです。


隣には法然の母・秦氏君の銅像。2010年11月に建てられたばかりです。


こちらは漆間時国・秦氏君夫妻の霊廟。

津山線(誕生寺→津山)

駅へと戻り、8:01発の列車で津山へと向かいます。


この列車も通学時間帯かと思いきや、学生は見当たらず。どうやら先ほどの列車でないと間に合わないみたい・・・大変だなぁ。
そんなわけで車内には空席があり、余裕で座れました。勿論ロングシートの方ですけど。(写真は到着後の車内)


8:21津山駅到着。嬉しいことに晴れてくれました♪


津山駅は市街南端に位置しており、徒歩で巡るには難がありますので観光案内所でレンタサイクルを利用。2時間400円で、1時間追加ごとに100円。今回は4時間借りて600円でした。


津山駅前で箕作阮甫(津山出身の洋学者)の像を撮ってから出発。

津山城

すぐ近くの津山観光センターに自転車を止めて、入口へと向かいます。訪問客をまず出迎えてくれるのが三の丸の高石垣。


表門受付の近くに、築城者で初代津山藩主の森忠政の銅像。
こんなズングリムックリが、森蘭丸の弟とは(笑)


現在は表門となっている冠木門跡より入城。入場料300円。


開門時間の8時40分を5分ほど過ぎてしまいましたが、平日のためか他に観光客はいませんでした。


手前が表中門跡。とても幅が広く、とにかく豪快で開放的な印象。
勿論往時には表中門によってガードされていたわけですが、その門もかなりのスケールであったことが窺えます。


その表中門跡は何やら発掘調査中の模様。


二の丸に達すると頭上には備中櫓。ちょっと他では見られない変形二重櫓です。


さらに進むと切手門跡。ここからはだいぶ規模も小さく。


切手門跡から振り返って本丸の高石垣を撮影。桜などの木々が生い茂って、折角の石垣があまり見えないのが残念。桜が満開になればそれは見事なんでしょうけどね。


本丸への最後の関門であった表鉄門跡。


本丸跡。


本丸の南端には藤棚が設けられていました。


備中櫓見学へと向かいます。













2005年に木造復元された備中櫓。前回訪ねた時はまだ出来たてホヤホヤだったわけですが、6年経った今でもまだまだ綺麗です。
ただ、復元されたのがここだけというのもちょっと寂しいですね。現存建造物もないので、城郭建築は本当に備中櫓がポツンとあるだけ。何もないよりかえって寂しさが漂います。この不景気な世の中では難しいとは思いますが、何とかならないものでしょうか。


続いては細い通路を通って天守へと向かいます。


五重五階の巨大な層塔型天守が聳えていた天守台。


反対側に石段があります。



天守穴蔵。



天守台からの眺めは抜群。市街が一望できます。


先ほど通ってきた通路。入り組んでいて厳重に防備されていることが分かります。


帰りは裏鉄門跡から。




裏口側(北側)の石垣も見応えあります。桜の木も多いですけどね。

岡山県津山中学校本館

自転車にまたがり、津山観光に再出発。
まずはこちら、現津山高校の旧本館。重要文化財です。


連続テレビ小説あぐり」のロケ地だそうです。



見学には事前申込が必要とのことで、今回は外から覗いただけ。

衆楽園

こちらは津山藩別邸庭園。国指定名勝。
太っ腹なことに入場無料なんです。











中山神社

市街地から数キロ離れているため、前回は訪問叶わなかった美作国一宮。
今回は汗だくになりながら頑張って訪ねました。


神門(市指定文化財)。津山城二の丸の城門を移築したものです。


重要文化財の本殿はこの裏手。


こちらが本殿(重要文化財)。

美作総社宮

南下して市街地へ戻ってきました。


石段を登ると、


大して登っていませんが、結構見晴らしが良いです。


この拝殿の裏に、


重要文化財の本殿があります。毛利元就が再建したそうです。

鶴山八幡宮

もとは津山城跡(鶴山)にあった神社で、築城のため当地に移転してきました。


県指定文化財の拝殿。


そして重要文化財の本殿。



もう少し廻りたい場所もあったのですが、次の予定もあるので津山観光はここまで。
前回は曇のち雨でしたから、今回は晴れてくれて本当に良かった。次回は桜の時期に訪ねてみたいですね。物凄い混んでいそうですけど。

姫新線(津山→院庄)

12:46発の新見行きに乗車。1両編成なのに乗客はかなり居て座れませんでした。まあ、1駅だけなので問題はありませんが。


5分で院庄駅に到着。



可愛らしい駅でした。

作楽神社(院庄館跡)


院庄館跡は美作国の守護所と推定される遺跡です。国指定史跡。


周囲を堀がめぐっています。


敷地には作楽神社が鎮座し、後醍醐天皇と児島高徳を祀っています。
隠岐へと配流される後醍醐天皇がこの地に宿泊した際、単騎潜入した児島高徳が後醍醐天皇を励ます詩を桜の木に刻んだという「太平記」の有名な故事によるものです。


その桜の木があったという場所には石碑が建てられています。
ただし児島高徳は実在性に乏しく、おまけに当地が美作守護所というのも推定ですから、ここが逸話の舞台であるという可能性は限りなく低いと言わざるをえません。

美和山古墳

猛暑のあまりヘロヘロになりましたが、昼食休憩で復活。院庄館跡から約2kmを歩いてやってきました。
ここには前方後円墳1基、円墳3基が残っています。国指定史跡。


全長80mの1号墳(前方後円墳)。


2号墳。


3号墳。

姫新線(院庄→美作千代

14:47発の列車でまた1駅移動。
先ほどの列車から次の便であるこの列車まで、2時間も間隔が空いているのですが、今度はガラガラでした。





美作千代駅は古びた木造駅舎で、とってもいい雰囲気です。

三成古墳

国指定史跡の前方後円墳


全体をカメラに収めたいのですが、上手くいきません。


古墳上には模型石棺が展示されていました。



今度は飲み物を切らしてしまって脱水気味に・・・付近にはコンビニはおろか自販機も見当たりません。鄙びた美作千代駅に戻るも、ここにもやはり何も無し。仕方なくそのまま次の目的地へと移動しました。

姫新線美作千代→久世)

16:01発の列車で久世駅まで30分。
それにしてもまたこの車両か。津山線誕生寺駅から4連続です。



美作千代駅には及びませんが、久世駅もなかなか渋い駅です。
まあこんな感じですが、駅前にはスーパーがあるんです。お陰で飲み物をようやく手に入れることが出来ました。

旧遷喬尋常小学校校舎

駅から東へ徒歩10分ほど。真庭市役所の北側、久世エスパスランドに擬洋風建築が移築保存されています。重要文化財



屋根中央のとっても気になるマークは校章。高瀬舟で「久世」をデザイン化したものだそうです。


校舎内は無料公開されていますので、中央玄関より入館。


壊れた柱時計がお出迎え。


おー、板張りの床でいい感じ。


教室も懐かしい雰囲気。


2階へ上がってみます。頭上に徐行マークが(笑)




各クラスに「○○学級」のプレートが下がっていました。何だか今でも普通に授業が行われていそう。


中島学級は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のロケで使われたそうです。


何だか今でも不通に授業が行われていそう。壁に貼られた習字とか、まさに小学校の教室ですね。


こうして教室の椅子に腰かけてみると、子供のころに戻ったような気がします。



二階中央は講堂になっていました。格天井が特徴的です。

姫新線(久世→新見)

さて、本日の観光はこれまで。新見経由で岡山駅へと戻ります。


夕暮れの久世駅で列車を待ちます。


18:23発の新見行き。ようやく違う車両、って朝に岡山から乗ったのと同じやつじゃありませんか。



1時間余で終点新見駅に到着。帰宅する高校生が途中でたくさん乗り降りしましたが、それ以外は静かでのんびりとした時間でした。


乗換まで1時間もあったので、駅の外に出て夕食。駅前の商店街はすっかり真っ暗で焦りましたが、開いている食堂があって助かりました。

特急やくも号(新見→岡山)


20:32発の最終特急で帰還。岡山駅までは約1時間です。何とか座れましたが、最終便だけあってだいぶ混んでいました。