周遊きっぷ岡山・倉敷ゾーンの旅/1日目/児島・下津井
昨夏断念した岡山旅行を一年越しで挙行。
4泊5日と構想より期間が短くなってしまいましたが、列車とレンタカーで岡山各地を巡ってきました。
(12/4更新完了…冒頭写真は鷲羽山からの眺望)
東海道・山陽新幹線のぞみ7号(東京→岡山)
早朝5:30に大宮の自宅を出発し、東京駅6:50に乗車。そのまま岡山まで。
これだけ早く出ても岡山到着は10:18とだいぶ遅い時間になってしまうのが難点ですね。早朝に到着するサンライズ出雲・瀬戸に乗りたいところでしたが、今回は計画がギリギリまで確定出来なかったためキップが取れませんでした。
特急しおかぜ7号(岡山→児島)
5日分の荷物をコインロッカーに預けて特急に乗り換えます。
ちなみに周遊きっぷはゾーン内の新幹線・特急の自由席が乗り放題ですが、岡山・倉敷ゾーンでは新幹線は岡山・新倉敷間のみで実用性が低く、特急も岡山・新見間のやくもとこの岡山・児島間のみですので、使えるときに使っておかないと損。
松山発着の特急だけに大河ドラマ「坂の上の雲」のラッピング列車だったのですが、スペースが狭いし、角度が狭いし、残念なことになっていました。この車両はラッピング列車には向かないようです。
児島は次の停車駅。20分で到着です。
駅構内の観光案内所でレンタサイクル(1日300円)を利用しようとしたところ、駅近くの倉敷市児島産業振興センターで電動アシスト付自転車を1日500円で利用できると教えてもらったので、こちらへすっ飛んできました。駅から西へ徒歩2・3分です。
今日めぐるコースは起伏に富んでいて、しかも猛暑で日差しが厳しいですから、プラス200円で電動アシスト付が使えるのは助かりました。
旧野崎家住宅(野崎家塩業歴史館)
まずは市街地北部のこちらへ。江戸時代後期、塩田開発で財を成した野崎武左衛門が築いた邸宅です。入館料500円。
入口の長屋門を始め、12棟が重要文化財に指定されています。
長屋門を出てすぐ右手に見える土蔵群が圧巻!
この裏にも2棟あって、合計7棟の土蔵がいずれも重要文化財。重要文化財であるなしは別にしてもこれだけ土蔵のあるお屋敷は初めて。野崎家の繁栄ぶりがこれだけで分かるというものです。
表玄関。残念ながら屋敷内部は立入不可。
表玄関のすぐ隣に表書院。
表書院前の枯山水庭園。
表書院の背後に主屋。
主屋は九つもの座敷が連なっていて、これまた壮観です。
順路に沿って主屋の裏手へ。
屋敷は入れませんが、土蔵は公開しています。こちらは味噌蔵。
最後に土蔵群の雄姿を間近から撮影。
ちなみに、ここ旧野崎家住宅は「名探偵コナン岡山・倉敷ミステリーツアー」のチェックポイントになっていて、結構多くの観光客が訪れていました。お陰で撮影に多少苦労しましたが、まあご覧のように時間をかければ何とかなるレベルで済みました。
また、ここは児島の観光名所・ジーンズストリートに面しています。
風の道(下津井電鉄廃線跡)
かつて茶屋町から児島を経て下津井までを結んでいた下津井電鉄。その痕跡をたどります。
まずは児島駅の旧駅舎。児島文化センター前の交差点付近にあり、JRの児島駅からは北西に500mほど離れています。これだけ離れていると乗換はかなり不便で、それが廃線に繋がったのではないでしょうか。
駅舎の一角に下津井電鉄グループ企業の旅行会社が入っていますが、それ以外は見学可能。
2階デッキへ。ここには何があったのだろう?フリースペース?
デッキからホームを見下ろす。駅というより車庫といった感じです。
外観なんかは特に。当時のままなのか、それとも廃線後に改変されてしまったのか?
児島駅から南、下津井方面へ向かう線路跡はサイクリングロードとして整備されています。
両サイドを道路に挟まれた街中を進み、
住宅地を抜け、
児島駅から1.1kmで備前赤崎駅跡に到着。草むらに隠れてプラットホームが残っています。
その先、国道430号でぶった切られ直進出来ません。少しばかり迂回します。
復帰してすぐ阿津駅到着。備前赤崎駅から0.6kmです。
この辺りまでは住宅地ですが、この先は登り坂が続き、人家が少なくなってきます。
琴海駅。「きんかい」と読みます。阿津駅から1.2km。
東側には海が広がっています。風光明媚。
でも高台にある駅なので利用には不便だったかもしれません。
どんどん進みます。
森を抜けると鷲羽山駅に出ました。琴海駅から0.9km。
鷲羽山
鷲羽山駅は鷲羽山への入口。駅跡に自転車を停め、遊歩道を進みます。
10分ほど歩くと瀬戸内海の絶景が!
この眺望ゆえに鷲羽山は国指定名勝となっています。
四国へと延びる瀬戸大橋。
彼方には煙を上げる坂出のコンビナートが見えます。
西側、瀬戸大橋の向こうに下津井港。
鷲羽山の山頂は岩場になっています。
山頂からの眺望。瀬戸内海は多数の船舶が行き交います。
ボーっと眺めるには最高のロケーション。夕暮れ時は最高でしょうね。
南東方面。鷲羽山レストハウスが眼下に見えました。
向こうには第二展望台があるようですが、あちらまで行く必要はなさそう。
北側には湾状に広がる児島港の眺望が広がります。
下津井城跡
また寄り道。宇喜多秀家が瀬戸内海監視のために築いた城郭。
跡地は瀬戸大橋架橋記念公園となっていますが、整備はいまひとつ。
それでも石垣がしっかり残されています。
鷲羽山ほどではありませんが、ここからも瀬戸内海を望めます。
下津井駅跡
終点下津井駅に到着。東下津井駅から2.1kmで最長区間でした。
駅跡の背後には、下津井みなと電車保存会によって車両が保存されています。
普段は立入不可のため遠目から撮影するだけのつもりでしたが、この日は保存会の活動日で、思いがけず間近から撮影させてもらうことが出来ました。
廃線から20年経ても、これだけ整備保存されているのは大変なことだと思います。
動いているときに乗ってみたかったですねぇ。
頼仁親王墓
冷泉宮を称した後鳥羽天皇皇子。
鎌倉幕府の四代将軍候補となるも父院の反対により話は消滅。その後、承久の乱に連座して当地に配流となり、京へ帰還することなく没しました。当地では修験道の総本山・五流尊瀧院を再興したと伝わります。
熊野神社
五流尊瀧院は今でこそそれほどの規模でもありませんが、かつてはこちらまでが境内でした。明治の神仏分離令により分かれたそうです。
ズラリと並ぶ5棟の本殿。
そのうちの真ん中、これのみ重要文化財に指定されています。
また、境内南の駐車場脇の森の中に後鳥羽上皇御影塔と呼ばれる石造宝塔があります。重要文化財。
配所の隠岐で没した後鳥羽院の分骨が安置されているとのこと。