日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

都心の神社をめぐる〜靖国神社・神田明神・湯島天神〜

3月11日に発生した東日本大震災。首都圏でもこれまでに体験したことのない大きな揺れを感じました。帰宅難民になったり、部屋の本棚が崩れたり、その後の計画停電やそれに伴う電車の運休に振り回されたり、未だに続く余震に不安を感じたりと、色々ありますが、ともかくこちらではお陰さまで大きな被害はありませんし、混乱も収まりつつあるように感じます。
しかし東北地方太平洋岸の被害は甚大であり、さらには原発事故も発生。首都圏の計画停電も含めた日本経済への大打撃も図り知れません。未曾有の国難にあたって私ができることは・・・神仏へ祈ること。日本古来の伝統的な手法に頼るしかない。というわけで、都内の神社をめぐることにしました。


(4/1更新完了…冒頭写真は靖国神社境内)

靖国神社

国家安全を願うなら、まずはここでしょう。
ということで市ヶ谷駅から歩いてきました。南門くぐると拝殿はすぐです。参拝は実に7年ぶり。


土曜の午前中だからか、震災の影響か、参拝客は少なめでした。


桜の名所でもある靖国神社。そろそろ開花しそうな品種も。


参道を九段下方面に向かって歩いていきます。


参道の途中にある大村益次郎の銅像。


左手に双眼鏡を持ち、ジッと睨むは上野の方角。大村は上野に陣取った彰義隊の掃討戦を指揮しました。


参道を抜けた後は、九段下から神保町を経て御茶ノ水へと向かいます。

日本ハリストス正教会教団復活大聖堂(ニコライ堂

お雇い外国人コンドルの設計で建てられたビザンチン様式の大聖堂。重要文化財




異国の神にも祈りを捧げようと思っていたのですが、残念ながら震災の影響で拝観中止となっていました。



ここからは7年前と同じようなルートで上野方面へと向かいます。


東京編/千代田区・文京区・台東区 - 日本史日誌

湯島聖堂

神田川を渡ると徳川綱吉が創建した湯島聖堂があります。後に昌平坂学問所へと発展しました。国指定史跡。


建物は関東大震災でほとんどが焼失。昭和初期に鉄筋コンクリートで再建されました。


杏壇門より内側では筑波大学の彫塑展が開催されていました。


13日までだったところ、地震の影響で展示物を運び出せず、会期が延長となったそうです。


孔子を祀る大成殿。


地名が先かと思いきや、昌平坂学問所に因んで周囲の坂は昌平坂と呼ばれるようになったのだとか。

神田明神

湯島聖堂の北側すぐ。平将門を祀っていることで知られています。ただし、だいこく・えびすの両神との合祀です。



ここも参拝客は思いのほか多くありませんでした。



神田明神まで来れば秋葉原がすぐ近くなので足を延ばしてみました。
アキバは相変わらずたくさんの人が来ているなあ。あとメイド姿の女性の多いこと。

湯島天満宮

続いては湯島天神へ。言わずと知れた学問の神様ですから今回の趣旨にそぐわない気もしますが、まあついでに。
ちなみに同じ「湯島」と言っても湯島聖堂からは700m以上、地下鉄1駅分くらい離れています。


学問の神様菅原道真を祀る神社ですから、合格祈願が成就したと思しき若人とその家族がたくさん参拝に訪れていました。


御礼詣りの絵馬もたくさん。


そして梅が咲いていましたよ。今年はまったく梅を見れずに終わるかと思っていましたが、間に合ってよかった。


→(2年前の訪問記事)都内梅園めぐり【湯島天神・小石川後楽園・新宿御苑】 - 日本史日誌

上野恩賜公園

そして此方は桜!



寒桜でした。
ソメイヨシノなどが咲くのももうすぐでしょうね。待ち遠しいです。


さて、上野と言えば西郷さん。


現在、目の前のレストラン聚楽第が老朽化による建替え工事中のため、ちょっと殺風景になっていました。


そして園内を北へ向かってお散歩。まずは清水観音堂(重文)。


続いて上野東照宮(重文)。


まだ修復工事中でした。しかも唐門にも昨年には無かったシートが。


(昨年4月時点、唐門は工事未着手で現物が見られました)


上野東照宮の参道から見える旧寛永寺五重塔(重文)。上野動物園内にあります。


その上野動物園ですが・・・、


震災の影響により当面の間、休園とのこと。被災したわけではなく節電のためだとか。これで3月22日に予定されていたパンダお披露目も延期です。
表門前にはTBSが取材に来ており、休園を知らずに来てしまった家族連れにインタビューしていました。


恩賜公園の大噴水は工事中。辺り一帯ぐるりとフェンスが廻らされていました。

東京音楽学校奏楽堂

上野恩賜公園の北西端に位置する重文建築。日本最古の木造洋式音楽ホールです。


ここも昨年来ていますが、前回はリハーサルに使用されていて撮影出来なかったホールを撮るべく訪ねました。入館料300円。


上野恩賜公園を歩く〜銅像と建築めぐり〜 - 日本史日誌



今回はコンサートが中止(震災の影響により)となったため撮影可能に。舞台中央のパイプオルガンは国内最古です。


ホールを重点的に撮影して、あとはさくっと引き上げました。


玄関を出て左手を見ると、ひっそり隠れるように建つ銅像を発見。ここでピアノを演奏していた滝廉太郎の銅像でした。
この銅像、豊後竹田の岡城にある滝廉太郎像と同じもの。


(岡城二の丸跡に座す滝廉太郎像)

博物館動物園駅跡

奏楽堂の道路向かいに残る博物館動物園駅入口。1997年まで営業していました。



寛永寺

最後はこちらに。江戸時代、徳川将軍家菩提寺として隆盛を誇り、かつては上野のお山全体が境内でしたが、上野戦争で主要伽藍を焼失。寺域も縮小されて現在に至っています。


石灯籠が倒れていました。地震によるものと思われます。


広大な寛永寺墓地には徳川将軍家墓所があります。
五代将軍徳川綱吉墓所である常憲院霊廟の勅額門は重要文化財。常憲院霊廟内には天璋院篤姫の墓もありますが、見学できるのはこの勅額門までで、残念ながらこの先は立入不可です。


四代将軍徳川家綱墓所である厳有院霊廟もあります。こちらは廟所の入口まで行くことができました。


ここの石灯籠も倒れていました。墓石などは一切倒れていなかったので、石灯籠の脆さが伺えます。



厳有院霊廟の勅額門は道路沿いにあります。これまた重要文化財


近くの鴬谷駅へ向かう途中、正面にスカイツリーを発見。初めてナマのスカイツリーを見ました!
地震の影響なくそびえ立っています。完成したら間近で見てこようと思います。