日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

四国バースデイきっぷ旅行2008/1日目/大洲市・宇和島市

昨夏同様、「バースデイきっぷ」を使って四国をめぐってきました。
目的は勿論、台風襲来により不完全燃焼に終わった昨夏のリベンジ! 訪問叶わなかった宇和島城と大洲城*1、土砂降りに見舞われた高知城*2。この3つが今回の最重要攻略ポイントです。
そして初日から宇和島・大洲へ向かうこととしました。やはり一刻も早く行っておきたかったものですから(^^*)ゞ そのために前夜より四国入りしまして、準備も万端です。


(7/26更新完了…冒頭写真は大洲城天守と台所櫓)

5:17 高松駅出発

夜が白々と明けてきた朝5時前の高松駅前。まだ人影もほとんど見当たらない早朝より始動します。
こんな時間でもみどりの窓口は開いており、肝心要の「バースデイきっぷ」購入に成功。指定席も確保しておきました。ちなみに「バースデイきっぷ」ですが、簡単に説明しておきますと、誕生月に1万円ポッキリでJR四国全線が3日間乗り放題、しかも特急グリーン車OKつー優れものなのです(^_^)v


昨年は無かった自動改札を通り、いよいよ旅の始まりです!



宇和島行きの特急いしづち1号に乗車。
松山までは全車自由席なのですが、さすがにこの時間ですからガラガラ。


いまひとつスッキリしない空をぼんやり眺めつつ西へ西へ。
しかしのんびりした車内も愛媛県に入ると混み始め、伊予西条を過ぎる頃にはほぼ満席状態。本日は平日。この列車は通勤通学に使われているようです(^^;
そして乗客の大半は松山で下車。

8:45 伊予大洲駅到着

若干遅れましたが無事到着。
大洲城のある市街中心部は駅から少し離れているので、レンタサイクル利用が吉です。駅前を直進してほどなくの「サイクルオート二宮」という自転車屋さんで取り扱っています。2時間400円、追加1時間ごとに100円。

9:05 武田敬孝・成章兄弟誕生地

市指定史跡。説明板があるのみ。
誰のことかと思いましたが、弟成章は五稜郭を設計したあの武田斐三郎でした。

9:10 肱川緑地


キタ―(゚∀゚)―!!
肱川対岸から望む大洲城天守。これです、これが見たかったんですよ。復元モノとはいえ、独立式の宇和島よりこっちの方が好み♪

9:30 大洲城

肱川を渡って城内へ。ここへきて急に強烈な陽差しが・・・気温も急上昇。
右の建物は下台所(県有形文化財)。


西南より天守と高欄櫓。高欄櫓は現存建築で、重要文化財に指定されています。


本丸より撮影。左から高欄櫓・天守・台所櫓。台所櫓も現存建築の重要文化財です。つまり天守だけが復元建築ということ。でも程よくバランスが取れていて違和感はありませんね。
内部へは台所櫓が出入口となっています。臥龍山荘との共通券800円を購入して入場。


天守三階。さすが木造復元、味があります。


天守四階最上階。高欄の無いタイプは、どうしても殺風景になってしまいますね。


天守最上階より北側を眺める。いやーな雲が出ていますが、幸い天気が崩れることはありませんでした。


最後に高欄櫓より天守を見上ぐ。
それにしても、話には聞いていましたが、大洲城は本当に空いているのですね。平日午前とはいえ天守が貸し切り状態でしたし。個人的には大歓迎なのですが、これだけ立派な観光資源が少し勿体ないような気もします(^^;
ただ、入れ違いで団体客がやって来ていたので、運も良かったのかもしれません。


天守北面を眺めつつ、山裾をぐるりと回って、


東南の苧綿櫓にやって来ました。三つ目の重要文化財です。重要文化財はもうひとつあります。

10:45 大洲城三の丸南隅櫓公園(お殿様公園)


三の丸跡は現在市街化されていますが、ここにポツンと残されているのが三の丸南隅櫓(重要文化財)。
以上、大洲城では四つの現存櫓(全て重文)が見られます。美しい木造復元天守だけでなく、この点もポイントが高いと思いますよ。


大洲高校前より、三の丸南隅櫓と天守を眺めるの図。


なお、大洲高校には中江藤樹の邸跡(県史跡)があるのですが、見学は要連絡なうえに、どうやら外からは見えないようなので、断念して先を急ぐことにしました。

11:05 曹渓院

大洲藩主加藤家墓所(市史跡)のひとつ。しかし門には錠が差してあり、どうやら立ち入り不可の様子。仕方がないので、アウトレンジより撮影するに止めてサッサと引き上げます。

11:15 山本尚徳邸跡、止善書院明倫堂跡、三瀬諸淵生家跡

いずれも市指定史跡。街中に点在する石碑を三つ、パパッと撮影。

11:20 おおず赤煉瓦館

旧大洲商業銀行本店(市有形文化財)の建物。見学無料なのですが、時間的余裕が無くなってきましたので、外観撮影だけで次へと向かいます。

11:30 臥龍山

肱川随一の景勝地に築かれた山荘。先ほどの大洲城で購入した共通券にて入場。
数寄屋造りの臥龍院(県有形文化財)は、残念ながら建物内部の撮影禁止(´д`)


こちらは茶室の不老庵(県有形文化財)。


眼下を流れる肱川を望む。絶景かな。


対岸から見ると、こんな所に建っていました。ひゃぁ〜(^◇^;)


この後、もうひとつの大洲藩主加藤家墓所のある如法寺へ向かう予定でありましたが、山麓まで来て、如法寺があると思しき山腹を見上げてギブアップ(^^; 猛暑にやられたようで、気力・体力ともにかなり減退気味です。時間にゆとりが出来ましたが、余裕を残して駅へ帰還します。

13:03 伊予大洲駅出発

自転車を返却して駅へ戻ると、人身事故発生のアナウンスが( ̄□ ̄;)!!
折角早めに戻ってきたのに・・・どうしよう大幅に遅れるかも。困っていると、宇和島行きの特急宇和海9号が5分と遅れずやって来ました。ふー、冷や冷やさせるぜ(^^;;;

13:46 宇和島駅到着

6分遅れで到着。
宇和島でもレンタサイクルを利用します。駅前の観光協会へ。1時間につき100円です。

14:00 宇和島城

もちろん、真っ先に宇和島城にやって来ました。
北登城口に移築された藩老桑折武家長屋門(市有形文化財)をくぐって、山上の本丸を目指しましょう。


10分ほどで本丸石垣が見えてきます。


本丸への唯一の虎口である櫛形門石垣。


そして本丸の奥に見えてきたのが、お待ちかねの天守です。現存十二天守のひとつで重要文化財
天気も良くて、抜けるような青空が気持ちいい。昨夏、台風で来られなかったのは大変残念でありましたが、お陰で良い時に訪れることができました。塞翁が馬ですね。


天守の入場料は200円。1階は天井の高さが印象的。


最上階の3階。現存天守だけあって、年季が入っていて風格があります。復元間もない大洲城とは対照的で面白いですね。


最上階より望む宇和島湾。何とも爽やかな景色に、しばし猛暑を忘れます。

15:00 宇和島城追手門跡

来た道を戻って下山。街中へ。
旧国宝の追手門は残念ながら戦災で焼失。今は民家脇に石碑があるのみです。

15:05 和霊神社

誅殺された家老山家清兵衛公頼を祀る神社。有名なのは宇和島駅の北方にありますが、こちらは城下の山家公頼邸宅跡(市史跡)に建てられたもの。

15:10 宇和島城上り立ち門

南登城口に建つ薬医門。市指定有形文化財
門前には児島惟謙の銅像、道向には大和田建樹の生家跡(市史跡)があります。

15:25 天赦園

七代藩主伊達宗紀の隠居所として造園された大名庭園。国指定名勝。
この時期は咲いている花もなく、撮影スポットとしての魅力は今ひとつかな。他に観光客も居らず、貸し切り状態でしたけど、長居するには至らず。

15:45 大村益次郎住居跡

神田川沿いの住宅地にパネルがありました。まあそれだけなんですけど。
伊達宗城に招聘された大村益次郎が2年半余りを過ごした地。市指定史跡。

15:55 妙典寺

山門が市指定有形文化財

16:05 大隆寺

宇和島藩主伊達家墓所(市史跡)のひとつ。
秀宗夫人、5代村侯、7代宗紀、9代宗徳などの墓があります。他に山家公頼の墓(市史跡)も有り。庭園(市名勝)は見られず。

16:30 等覚寺

もうひとつの宇和島藩主伊達家墓所(市史跡)。
写真は8代藩主伊達宗城及び夫人の墓(県史跡)。また、初代藩主伊達秀宗の墓も県指定史跡です。



駆け足で廻ってきましたが、それも17:00までに自転車を返却せねばならぬため。何とか時間いっぱいギリギリに返すことが出来ました。まだ他にも立ち寄りたい場所があったのですが仕方ないですね。
取りあえず、まだ宇和島の滞在時間に余裕があるので、駅近辺を散策します。

17:00 高野長英の居住地

市指定史跡。

17:05 龍光院

寶篋塔(市史跡)があります。



最後に駅の北側へ回って和霊神社に行こうかな、とも思いましたが、暑さと疲労に負けて断念。
そういえば朝も昼もまともに食べていないのを思い出して、駅前で宇和島名物鯛めしをいただきました。それにしても、猛暑の中、今までよく保ったなぁ・・・と我ながら驚きです。燃費がいいというか、低コストというか(^^;

18:10 宇和島駅出発

ライトアップ撮影のため、特急宇和海22号で大洲へ向かいます。
宇和島城と大洲城で悩んだのですが、宇和島城重要文化財現存天守で魅力的ではありますが、登城口が夜間は閉じられてしまうため、山麓より望遠で撮影するしかない、というのが難点なので、大洲城を選択することにしました。

18:53 伊予大洲駅到着

夜はレンタサイクルがありませんから、当然歩いて向かいます。夕方は幾分涼しくなってきましたので、まあ何とか耐えられます(^^;

19:15 肱川緑地



肱川対岸より、日暮れからブルーモーメント、そして漆黒の闇に至るまでじっくり撮影。
暗くなるにつれ、段階的に照明が増えていくのが面白い。

20:30 大洲城



天守のみならず、麓や登城道の照明も力が入っていていますよ。もっと注目されても良さそうなものですが、他に見に来る人もいなくて淋しい。


今宵は月夜。


苧綿櫓もライトアップしていました。もしかすると三の丸南隅櫓もライトアップしていたかも?

22:00 伊予大洲駅出発

特急宇和海28号で、今宵の宿泊地松山へと向かいます。この列車が終電。
結局、この日はグリーン車には乗れませんでした。全ての特急にグリーン車が連結されているわけではないので、行程上やむをえませんが、ちょっぴり勿体ないような気がしたのも確かです(^^;

22:40 松山駅到着

早朝から始動し、非常に長い1日となりました。しかも猛暑で大変でしたが、その割には不思議と最後までよく頑張れたと思います。
また心配された台風ですが、私の執念の前に恐れをなしたのか、西へ逸れていったとか。お陰で今回は無事に大洲・宇和島を訪問することが出来ました。特に宇和島城訪問で、現存十二天守のうち、これで11ヶ所が訪問済みとなりました。あとは松江城を残すのみです*3

*1:四国旅行/3日目/松山市 - 日本史日誌

*2:四国旅行/2日目/高知市・松山市 - 日本史日誌

*3:ただ、松本は写真が無い、姫路と犬山は写真に不満がある。ということで完全コンプリートにはあと4ヶ所なのです(^^;