日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

青森・函館フリーきっぷの桜旅/2日目/平川市・黒石市・弘前市

2日目は本来であれば、早朝の弘前城でのんびりと花見を楽しむつもりだったのですが、残念ながら雨の予報が出ており、肝心の桜も散りかけですから、予定を変更して黒石など弘前周縁部をめぐることとしました。

7:30 弘前駅出発

朝、まだ雨は降っていない。
まずはみどりの窓口で「津軽フリーパス」をゲット。津軽地方の鉄道・バスが2日間利用し放題で1500円。「青森・函館フリーきっぷ」があるので、JR分は意味を成しませんけど、これを使って今日は弘南鉄道、明日は津軽鉄道に乗るのです。
というわけで出発。日曜ですし、お客もそれほどおらず、電車はガタンゴトンのんびりと進んでいきます。

7:49 津軽尾上駅到着

尾上町、現在は平川市です。イイ感じにローカルな香り漂う静かな町でした。

8:10 猿賀公園

桜の名所だったりしますが、ご覧のとおりほぼ散ってしまいました。満開であれば朝から大勢の人で賑わっているのでしょうけど、この日は人影もほとんどなく。


鏡ヶ池。夏になれば蓮の花が咲き誇ることでしょう。


鏡ヶ池の中島にあるのは猿賀神社の境内社胸肩神社。


猿賀神社は古代まで遡る由緒ある神社。本殿が県重宝となっています。


鏡ヶ池東隣の見晴ヶ池。ここで晴れ間が覗いてきました。

8:35 盛美園

開園の8:30よりやや遅れて入園。入園料400円。



国指定名勝。明治時代、枯山水と池泉回遊式を組み合わせて作庭された名園。当地の地主で事業家であった清藤盛美によるものです。


築山からの眺め。正面に見えるは・・・


1階が和風、2階が洋風という、和洋折衷の盛美館です。


日本庭園と洋館(もどき)の組合せも様になります。いい具合に陽差しもあって、撮るのが楽しい♪ それにまだ見物客もほとんどいなかったので、ストレスなく自由に撮りまくりました(^^*)ゞ


盛美館は和風の1階のみ見学できます。2階も見学したいところですけど、残念ながら立入不可。あの八角形の展望室を見たかったなぁ〜。



9:15 清藤氏書院庭園

盛美園の南隣にある清藤家本邸。見学300円。


客間でお茶を頂きつつ、現御当主氏より色々なお話を伺いました。
清藤家は鎌倉時代からの由緒を持つ名家で、なんでも初代盛秀は北条時頼の命を受けて当地に移り住んだとか。ということは、得宗被官つまり御内人か。『北条氏系譜人名辞典』で調べてみると、被官一覧に清藤氏の名は見当たりませんが、所領一覧には陸奥国平賀郡内のものが幾つかあることから、この辺りに得宗領があり、清藤氏はそこの代官だったのかもしれません。


清藤氏書院庭園(盛秀園)も国指定名勝。こちらは江戸時代初期の作庭。
配流されてきた公家の花山院忠長が滞在の折にケヤキを植えたことに始まるという。ちなみにこの花山院忠長という人物、最初は貴種流離譚にありがちな伝説上の人物かと思ってしまいましたが、実在しており、実際に津軽に配流されていました。しかもあの猪熊事件*1に関係しての配流。花山院忠長は、津軽だけでなく、最初の配流先の松前でも京文化を伝えたということですが、配流の事情が事情だけに・・・(^^;

10:19 津軽尾上駅出発

ついに雨が降り出してしまいました。雨がひと止みしている間に駅までダッシュ。再度、弘南鉄道に乗車。

10:29 黒石駅到着

そのまま終点まで。雨が本降りになってきましたが、しばらくすると嘘のように止みました。黒石では、この後ずっとこの調子で、振り回されっぱなしでした(;´д`)トホホ

10:40 黒石市消防団第三分団第三消防部屯所

大正時代に建築されたモダンな消防屯所。まだまだ現役のようです。県重宝。

10:55 高橋家住宅

重要伝統的建造物群保存地区の中町こみせ通りにやって来ました。
「こみせ(小見世)」とは積雪対策から生み出された木造のアーケードで、この界隈には江戸時代より続くこの伝統様式が今も残っています。



重要文化財の高橋家住宅。高橋家は、黒石藩御用達の米穀商でした。


現在は甘味処になっていたので、あんみつを食べました♪(*゚Д゚*)ウマー

11:35 鳴海家住宅(菊乃井)

同じくこみせ通りにある酒屋さん。市指定有形文化財です。

11:50 法眼寺

町外れまでやってきました。


県重宝の本堂。玄関ガラス張りなんですけど・・・いいのかな?(^^;
この他、鐘楼堂が県重宝。山門と開山堂が市指定有形文化財

12:10 東公園

桜の名所ですが、残念ながらここもほとんど散っていました。それでも宴会客は少ないなりにいらっしゃるんですよねぇ。行ったときは止んでいましたが、雨も降っている間はどうしているのだろう? ふしぎふしぎ。

12:50 黒石神社

黒石津軽家の初代・信英を祀る神社。

13:00 黒石陣屋跡(御幸公園)


弘前津軽家の分家黒石津軽家の陣屋跡。黒石津軽家は5千石を領し、江戸時代後期に1万石で大名に列しています。



この後、非公開の国名勝・金平成園(澤成園)近くを偵察し、それから昼食に黒石名物つゆかけ焼きそばをいただきました。

14:20 黒石駅出発

弘南鉄道に乗って弘前まで戻ります。帰りの車内も空いていました。

14:48 弘前駅到着

弘南バス(弘前駅前→堀越)

雨は黒石に置いてきたのか、晴れ上がって、この後は全く降られませんでした。時間もあるので、もちろん次の目的地・弘前市南部へと向かいます。
碇ヶ関方面行きのバスに乗車。津軽フリーパスが有効です。こちらは意外と混んでおりました。

15:25 堀越城跡

バス停を降りて、道なりにそのまま真っ直ぐ進むと熊野神社の鳥居とともに「堀越城址」の石碑が見えてきます。
堀越城は弘前城に移転するまでの津軽藩の居城。いまはその面影はありませんが、弘前城跡・種里城跡とともに国史跡「津軽氏城跡」を構成するひとつとなっています。


本丸を囲う堀と土塁が遺っています。堀底は浅いですが、除草されていてコントラストがハッキリしているので、写真でも分かりやすくて良いですね。

16:30 石川城跡

堀越城から歩くこと約50分。思った以上に遠かった(;^_^A
石川城は津軽為信に滅ぼされた石川高信の居城。大仏ヶ鼻城とも。


知りませんでしたが、ここも桜の名所だったようです。結構いい具合に咲いていました。それなのに花見客は数えるほどしかおらず。勿体ない。


高台でかつ、周囲は平地なので、眺望が利きます。写真は北側。南側も見事ですよ。
あー、それにしても良い天気だなー。昼間が嘘のようです。

17:09 弘南鉄道石川駅出発

本日の散策はこれにて終了。大鰐と中央弘前を結ぶ弘南鉄道大鰐線に乗って弘前へ戻りましょう。


すると、駅で何だか変なものを発見しました!

線路やホームでふざけていると、
最悪の場合、死にます。


ご、ごもっともなんですけど、さらりと冷静な表現がとっても恐いです。しかもイラストがちょっと不気味。ホラーですよ。こわいよー。
まあインパクトがあるという点においては、役目を果たしているといえるかもしれません。とはいえ、明るいうちだからまだしも、暗くなってから誰もいない無人駅でこれを見たらトラウマになりそうですよね(^^;

17:28 中央弘前駅到着

*1:猪熊事件というのは、公家衆と女官たちの密通乱交が発覚して後陽成天皇の逆鱗に触れたという、いわゆるセックススキャンダル。