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日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

もうひとつの明治維新/家近良樹 編/有志舎

書籍

  • 序、幕末維新史の再構築に向けて(家近良樹)
  • 一、長州藩正義派史観の根源(家近良樹)
  • 二、文久二・三年の尾張藩と中央政局(藤田英昭)
  • 三、文久三年京都政局と米沢藩の動向(友田昌宏)
  • 四、幕末朝廷における近臣(仙波ひとみ)
  • 五、京よりの政治情報と藩是決定(笹部昌利)
  • 六、長州再征の目的(久住真也)
  • 七、将軍空位期における「政令一途」体制構築問題と諸侯会議(白石烈)
  • 八、武力倒幕方針をめぐる薩摩藩内反対派の動向(高橋裕文)


幕末史研究の論文集。
特筆すべきは所収された全ての論文が、これまで注目されることのなかった勢力をテーマにしていること。
これまで討幕派と佐幕派の二項対立図式で描かれてきた幕末史も、諸勢力の思惑が絡み合う政治力学によって紡ぎ出されてきたことが、近年の研究によって明らかになりつつある。本書はその幕末史研究の結晶ともいうべき一冊です。

といってもどの論文も私にはまだ難しいのでした(^^;
そんな中、ちょっと興味を惹かれたのは、薩摩藩内の武力倒幕反対派をテーマにした高橋論文。薩摩藩、それも薩長同盟締結後の慶応年間といえば武力倒幕一色。さすがにそれは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも藩中枢は武力倒幕方針で固まっていた、というようなイメージを持っていました。しかしなかなかどうして、反対派もかなりの影響力を持ち、結局は武力倒幕が断行されるとはいえその直前までどう転ぶか分からない状況にあった。しかも在京薩摩藩兵の中には武力倒幕派の頭取である西郷隆盛を討たんとする動きすらあったという。