織豊政権と東国大名/粟野俊之/吉川弘文館
- 作者: 粟野俊之
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2001/02
- メディア: 単行本
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- 第3章、戦国後期の東国と織田・豊臣政権
- 第2節、天徳寺宝衍考
先日のコメント欄で話題に出た論文です。
本書は昨夏に買ったきり、すっかり忘れていたんですけど・・・まあそれで折角の機会ですから、そのまま本棚の肥やしとしていては勿体無い、ということでまずは所収の当論文を読んでみました。
天徳寺宝衍は、戦国時代末期の人物で、佐野昌綱の弟にあたるとみられ、当主であった昌綱・宗綱父子を補佐。また、二度の上洛によって、織田・豊臣政権と北関東諸勢力との橋渡し役になったという。また彼自身も中央の後ろ盾を得て復権を果たしている。
この論文では彼の果たした役割について述べるにとどまり、細かいところまでは言及していないので、いくつか気になる点が出てきました。ちょっと興味が湧いてきた模様。
特に上洛と織豊政権への接近についてがキーポイントだろう。いずれの上洛も佐野家中の対立を原因とし、再起を図るための上洛とみられますが、どのような目算があったのか?織豊政権への手づるはあったのか?