聖徳太子の歴史学／新川登亀男／講談社選書メチエ

聖徳太子の歴史学――記憶と創造の一四〇〇年 (講談社選書メチエ)

• 第1章、「聖徳太子」の原像
• 第2章、「聖」はめぐる
• 第3章、攻撃される「聖徳太子」
• 第4章、法隆寺の「聖徳太子」
• 第5章、「古美術」調査から生まれた「聖徳太子」
• 第6章、子どもたちの「聖徳太子」

「聖徳太子」はいかにつくられ、変容してきたか？

拡大解釈されていく「聖徳太子」の歴史。「聖徳太子」はバケモノと呼ぶのが相応しいだろう。

現在のところ、「聖徳太子」の原像を掘り起こし、再構成することが並大抵なことではないと覚悟しなければならない。なぜなら今の私たちは、近代「聖徳太子」のコンテクストをあまりに共有してしまったからである。しかも、「事実」「真実」の解明という名のもとに。

分厚い虚像に覆われた「聖徳太子」。厄介だ。厄介すぎる・・・でも惹かれずにはいられない。