武田信玄/平山優/吉川弘文館
- 作者: 平山優
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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歴史文化ライブラリーの一冊。
前半は信玄の経歴を追い、後半はその治世(税制・法制・軍制)について記述しています。後半はちょっと堅めの内容で、というか苦手(>_<)な分野なのであんまり頭に入ってないのがアレなんですけどね・・・。
ま、それはともかくとして、気になる内容があるんですが、なんでも宿敵上杉謙信との和睦(甲越和与)が実現していたそうなんです。それは信玄が駿河に侵攻して今川家を壊滅させたものの、北条氏康・徳川家康と対立に至り、四面楚歌に陥った重大な時期にあたっており、非常に意味の大きいもの。なんですが、全く知りませんでしたよ。著者も「この事実は、従来知られていなかったが」と記してはいますけどね。この和睦は信玄が同盟者織田信長を通じて将軍足利義昭に和睦斡旋を依頼して実現したものだそうです。
よく知られたように、上杉謙信は北条氏康と同盟(越相同盟)を結びながら、後北条氏の期待する信濃への攻撃を何故か行わず、不思議に思っていたわけですが、和睦していたならばそれも納得であります。
そんなわけで、もっと詳しく知りたいところでありますが、どうやら詳細は丸島和洋「甲越和与の発掘と越相同盟」(『戦国遺文武田氏編』六巻月報)にあるらしい。