日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

<NHK大河ドラマ>「功名が辻」の平均視聴率20.9%

NHK大河ドラマ功名が辻」(10日が最終回)の期間平均視聴率が20.9%(関東地区)だったことが11日、ビデオリサーチの調べで分かった。関西地区は19.3%だった。関東地区では、02年の「利家とまつ・加賀百万石物語」(22.1%)以来、4年ぶりの20%超えだった。NHK広報部は「サラリーマン的な目線で戦国時代の夫婦像を描いたことが好評の一因だったのでは」としている。
毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061211-00000033-mai-soci

コンスタントに20%台を重ねていましたから、こうなることは予測がついていましたが、主役が「一豊の妻」という地味な素材であることを考えれば、意外な結果で非常に大健闘と言えるでしょうね。
なぜこのような結果を残せたのか。NHK広報部の認識はどこかピントがずれているように思います。要因を挙げるならば、舞台が戦国時代であったこと。しかも最も知名度の高い信長・秀吉・家康の三英傑が揃って登場したこと。それから他にも著名な人物がたくさん登場し、よく知られたエピソードも盛りだくさんであったこと。この3点でしょう。
過去の例*1を考えれば戦国時代かそうでないか、という違いは大きく、戦国時代モノならばまず外れることはない。今回もそれが立証されました。主役夫妻が地味、というハンデが心配されましたが、それも克服されたというわけです。しかし、その克服方法がどうにも気に入りません。なぜなら、主役及び周辺の魅力とストーリーで勝負するのではなく、著名な人物・エピソードに頼るという安易な道に走ったのだから。
そして一豊夫妻は身近な人物との関わりは抑えられた反面、三英傑を始めとする著名人との必要以上の絡みにより*2、等身大の夫婦像ではなく狂言回しとして描かれ、そのうえ著名な人物やエピソードを盛り込んだがために、物語はツギハギだらけの深みのないものになってしまいました。

昨年の「義経」は19・5%、一昨年の「新選組!」は17・4%。20%を超えたのは、02年の「利家とまつ」の22・1%以来だ。両ドラマに共通しているのは主役が女性で、そのあたりが高視聴率のポイントのようだ。
NHK大加章雄チーフプロデューサーは「千代と一豊の生き方に共感をもち、最後まで見守ってやろうと思ってくださる方が確実に増え、息の長い応援をしてくださった結果だと思います」と話した。
(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20061211-128982.html

主役が女性*3というのが高視聴率のポイントだとすれば、大河ドラマ史上最低の視聴率を叩き出した『花の乱』はどうなるんじゃい!と問いたい(笑) つまり主役が女性という繋がりは表面上のことに過ぎないわけ。
そもそも『利家とまつ』はここ20年の大河ドラマで最低の(最高の?)駄作と言っても過言ではない。いや間違いない。とにかくまつだけが賢くて、利家を始め、あとはみんなバカ扱い、という全くひどい内容でしたが、それでも20%を越えたのは、『功名が辻』同様に先に述べた3点のポイントを抑えていたことに尽きるでしょう。


視聴率の高低と作品の良し悪しは別物とはいえ、これに味を占めて今後も同様の作品が生み出されることが無きように願いたいものです。

*1:NHK大河ドラマ | ビデオリサーチ

*2:絡みすらなく一豊夫妻が埋没していることも。

*3:利家とまつ』は前田利家とおまつ夫人のダブル主役。