日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

栃木編/日光市


日光に日帰り旅行してきました。紅葉のシーズンは終わっていましたけどね、ええ。
そんなわけですから(?)、当然お目当ては文化財ってことで二社一寺(日光東照宮輪王寺二荒山神社)を中心に巡って来ましたですよ。なにしろ世界遺産ですしねー、それに国宝9棟・重要文化財94棟という建造物群を擁しているとあって、権威に弱い私にはタマらん!
というか、いやはや凄すぎます・・・こんなに凄いなんて今まで全然知りませんでしたわ。もっと早く気が付いていれば、いや今からでも遅くないよね。

9:15 東武日光駅到着

東武野田線春日部駅で降り、8:02発の特急けごんに乗り換えてバビュッと約1時間15分。やー、日光は結構近いんですよね。最近まで気が付きませんでしたけど。
きっかけは来春より東武日光行きのJR直通特急が走るというニュース(PDF)で、大宮駅からだいたい1時間半くらいってめちゃめちゃ便利やん!と思って、じゃぁ日光には来年あたり行くかなとか考えていたのですが、よくよく料金を調べてみると・・・

  • 現在*1:運賃1160円 + 特急料金1200円 = 2360円
  • 来春*2:運賃1420円 + 2010円 = 3430円


なんで千円も上がるのよ!
乗換の手間が省けるのと15分ほど時間が短縮されるとはいえ、どうですかねこれは。大手私鉄に比べて運賃の高いJR路線を走る*3からなんでしょうね。まぁ、来春になっても浅草発・春日部停車の特急は無くなりはしないと思うのですが、確実な今のうち行っておこうとか思ったわけですよ。私にしてはフットワークが軽かったかも。

9:35 二荒山神社神橋

駅前からバスに乗って5分ほど。190円。
バスは普通の路線バスタイプじゃなくて、観光バスのような車種。だから通路が狭くて、降りるのが大変。空いてれば問題ないですが、さすがに観光地だけあってそうはいきませなんだ。というかバスはちょっと遅れたので、もしかしたら歩いた方が早かったかもしれない。


http://www.shinkyo.net/


で、日光山内の入口にあたる場所にかかるのが神橋。8年8億円をかけた修復工事が終わったということで、来春まで特別公開中です。500円。
まあ、来春以降も普通に眺めることは出来ると思いますが、現在は橋を渡れますし、橋の下の観覧台から下部構造を見学できます。それだけ?と言われると、まあそれだけなんですけど。(^^;


それから、神橋の近くには天海大僧正板垣退助の銅像があります。板垣退助には「なんで?!」と思いましたが、戊辰戦争の際に日光を兵火から守ったんだそうな。

9:50 日光東照宮御旅所

いよいよ日光山内に潜入。ここは本殿・拝殿・神饌所の3棟が重要文化財ですが、立入不可なので遠くから眺めるだけ。いやむしろ眺められるだけでも有り難い。
御旅所は日光東照宮の中心堂舎からだいぶ離れていますが、このように日光山内は二社一寺の建造物が結構バラバラに散らばっています。

10:00 輪王寺

日光開山の祖とされる勝道上人の凛々しい銅像を見て、とりあえず日光東照宮へと先を急ぐ。

10:05 日光東照宮

日光山内で最も観光客が集まる所。だからこそ人でごった返す前に行こうと、輪王寺を飛ばして来たわけですが、10時を回っては流石に思惑どおりにはいかないか。表門前の広場には子供の群れも集結していた。たぶん修学旅行の小学生でしょう。かくいう私も小学校の修学旅行で来たことがあるんですよね。子供の群れは鬱陶しいですが、私たちもああだったかと思うと生暖かい目で見守る他ありませんわな。
仕方ないと諦めて、受付で二社一寺共通拝観券*4を購入。フリーパスではなく、切り離しの拝観券が5枚綴りで、1000円。
ここで、この日の日光東照宮では新嘗祭が行われるとのことで、午前中は昇殿不可ということを知る。うーん、困ったな。午後は昇殿可能ということでひとまず他を回ることにする。ただ後から思ったのだが、午前中なら儀式が見られたかもしれないね。実際はどうだか分かりませんが。

10:10 日光東照宮仮殿

日光東照宮表門の東、薄暗い木立の中に佇む仮殿は、本社の修理などの際に神霊を一時的に移しておくところ。現在特別公開中(無料)でした。本社に及ぶべくもありませんがこちらも豪奢です。

10:25 日光東照宮旧奥社

次に大猷院霊廟へ向かいますが、途中にまず日光東照宮宝物館の脇にある旧奥社鳥居・唐門を見るために立ち寄ります。宝物館は華麗にスルーです。

10:35 輪王寺大猷院霊廟

徳川家光(法号・大猷院殿)の墓所です。
ここにも子供の群れが。私のときはここまで来なかったナー。というか、日光山内では日光東照宮にしか来たことなかったんです。しかしそれでは勿体なさ過ぎる。特にここ大猷院霊廟は見ておくべき。日光東照宮に負けず劣らず金ピカで豪奢ですよ。


だが、奥院は立入不可なうえにチラとも拝むことが出来ず。数年前に特別公開していたのはここだったろうか。また公開してくれませんかねー?
それから西浄・別当龍光院(どちらも重要文化財)も立入不可で近寄れず、遠くからチラッと見える姿を覗くだけ。残念。

11:20 輪王寺慈眼堂

慈眼堂参拝の方は大猷院霊廟の受付で申し込んで下さい、とあったので取りあえずそうしてみる。300円。パンフをくれた。
法華堂と常行堂の間の道を辿っていくと観光客もほとんど来ない落ち着いた場所に出る。ここは慈眼大師(天海)の廟所で、また歴代輪王寺宮墓所

11:35 二荒山神社

再び人混みの中へ。二社一寺の中で二荒山神社は至ってシンプルな方ですね。
拝殿の中では儀式が行われていて、たぶん祈祷じゃないかしらん。巫女さんもいたので撮りたかったのですが、勇気が足りず・・・ダメポ。

12:10 輪王寺行者堂

一旦、日光山内の中止部を離れて一路北へ向かう。さすがに一般の観光客はこっちまでは来ない。ハイカーくらいなものだろう。15分くらい緩やかな山道を登ると黒塗りの行者堂が見えてくる。国指定重要文化財を多数抱える日光山内では珍しく県指定文化財だ。

12:15 白糸の滝

さらに北へ5分ほどのところに小さな滝があります。朝から歩きどおしのため疲れてきましたが、マイナスイオン効果でリフレッシュ。

12:25 二荒山神社別宮滝尾神社

白糸の滝の奥、日光山内最北部に鎮座しています。人里離れた秘境、というにはちょっと大袈裟ですが、そんな場所に鮮やかな朱塗りの社が佇んでいる姿は神秘的ですらある。

12:50 輪王寺開山堂

今度は一転して南へ戻ります。ここは日光開山の祖とされる勝道上人の墓所

13:05 日光東照宮

で、戻ってきたわけですが、相変わらず混んでおります。
子供のときとはいえ、ここには2度も来ているので、それなりに覚えていることも多く、ときどき記憶がフラッシュバックする。
「三猿」(見ざる・言わざる・聞かざる)には今も昔も人が群がっているのですが、子供の頃から既に視力が悪かった私は人ごみの後方で目を凝らしていてもちいとも見えず、そうこうしているうちにみんなゾロゾロと先へ行ってしまったのですが、担任の先生だけは私が近づいて見終えるまで残って付き添ってくれたのを思い出しました。なんていい話・・・ジーン。

13:30 日光東照宮奥社

陽明門から拝殿前に出て、まずは東照大権現徳川家康)の墓所である奥社を参拝。ここは二社一寺共通拝観券の対象外で、拝観料520円。
奥社へ向かう入り口の東回廊には、有名な「眠り猫」の彫刻があります。ここも人だかりができる場所。

13:45 日光東照宮

再び本社に戻って拝殿・石の間を見学。本殿は、まあどこもそうなんですけど見学不可。しかもここは外観も見えないのが痛い。そういえば『オーストリア皇太子の日本日記 (講談社学術文庫)』に、本殿内部を特別に見学させてもらって興奮したという記述があったけど、一般人でも拝観出来る特別公開はやってないのかなー?


拝殿を出て、さらに陽明門の外に出て、次は「鳴き龍」で有名な本地堂へ。外観は工事中でしたが見学には支障なし。
以前はめいめいが手拍子で「鳴く」のを聴いたと思うのですが、説明係の人が拍子木を打って聴かせていました。しかも「手拍子はしないで下さい」のステッカーが貼ってありました。なんでだろう?
それは兎も角として、手拍子では「くわぁ〜ん」という感じだったと思いますが、拍子木だと「キュイーーン」というちょっぴり金属っぽい共鳴音でした。これはこれでインパクトがある。ギャラリーからも「オオッ!」っというどよめきが起きましたし。


東照宮内を見終えたので、次へ向おうとしたところで、デジカメの画質設定が低くなっていたことに気付いた。何やってんの! 奥社からだったが、奥社は入り直せないので、拝殿から本地堂のみを撮影しなおす。被害は最小限で食い止めたが、行ったり来たりでちょっと疲れた。
しかもここに来てデジカメのバッテリーがやばくなってきた。バッテリーの保ちがいいからって、調子に乗りすぎたかしらん。撮影目安が500枚ということだが、この日は既に200枚撮っている上に、それまでにも200枚以上撮影していたことを思い出した。い、いかん・・・ここからはなるべく省エネで。

14:15 輪王寺

ここは見るべきものが本堂・相輪とう・本坊表門・護法天堂(いずれも重要文化財)くらいでそんなに時間がかからない。これなら朝に見ておいても良かったか・・・。
宝物殿(300円)にも入ったのだが、あんまり身が入らない。だいぶ疲れてきたようだ。さっさと切り上げる。

14:40 輪王寺児玉堂

次に日光山内の東側に点在する御堂をめぐる。まずはここ。
児玉堂(小玉堂)というだけあって小さな御堂。

14:45 輪王寺観音堂

観音堂の隣には三重塔が建っているのですが、修復工事中のため見られませんでした。というか、最初は三重塔が隣にあることに気付かず、「何か建ててるんだなー」程度にしか思ってなかったのですが、よくよく確認してみてビックリという次第。工事は来年秋までかかる模様。

14:50 二荒山神社別宮本宮神社

観音堂の南隣にあります。

15:00 興雲律院

日光山内に別れを告げ、稲荷川橋を渡って東へ。高台にあり、道が急カーブを描いている。心理的に疲労が増した。力を振り絞って登りきって境内に向う。県指定文化財3棟を撮影して引き上げる。



休みなく6時間近くぶっ続けで歩き回ってきたので、さすがにもうへとへと。神橋近くの食堂でようやく遅い昼食をいただく。

15:40 鉢石

エネルギー補給完了。しかし陽がだいぶ傾いてきたので帰路に着きます。
国道119号を駅に向ってあるいていると「史跡」の文字が目に飛び込んできた。なんでも勝道上人が日光を開山される際にここに托鉢の鉢を置いて一休みしたという謂れがあるとかで、市指定史跡になっている。

15:55 観音寺虚空蔵堂

最後はここで〆。さすが日光、住宅地にある社も豪奢ですがな。

16:20 東武日光駅出発

ちょうどいい時間の指定席が取れたので特急で帰宅。車内でデジカメ写真を見ていると電池が切れた。うわー、ホントぎりぎりだったのね。危なかった。(^^;



それにしても天気に恵まれた一日でした。心配したほど寒くならなかったし、風もほとんどなく、まさに散策日和。お陰でだいたい予定どおり見て回れましたしね。いくつか立入不可とか修理工事中とかありましたが、まずまずでしょう。
旧日光田母澤御用邸などは今回行けませんでしたから、少なくとももう一度は日光に来ないとなりませんね。

*1:大宮-春日部乗換-東武日光

*2:大宮-東武日光

*3:栗橋でJRから東武日光線に乗り入れるらしい。

*4:日光東照宮日光東照宮本地堂・輪王寺三仏堂(本堂)・輪王寺大猷院霊廟・二荒山神社神苑