日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

ミットフォード日本日記/A・B・ミットフォード/講談社学術文庫

ミットフォード日本日記 (講談社学術文庫)

ミットフォード日本日記 (講談社学術文庫)

ミットフォードは、慶応二年(1866)〜明治二年(1870)の幕末動乱期に英国公使館の書記官として活動した人物で、明治五年(1873)には旅行途中に再訪日。
そしてリーズデイル男爵として貴族に列せられていた彼が、明治三十九年(1906)、明治天皇への勲章贈呈のための使節団の首席随員として最後の来日した際の見聞録が本書です。


とりあえず、まずは幕末時の回想録『英国外交官の見た幕末維新 (講談社学術文庫)』を読んでから本書を読むのがオススメです。本書での滞日期間は僅か1ヶ月に過ぎませんが、懐かしい人々との出会い、懐かしい場所の再訪、そして時代の変化の実感など、彼の体験をより一層強く感じられることと思います。おかしなもんなんですが、彼が懐かしんでいる場面で自分も一緒に懐かしんでいるんですよね。でも、まあそんな楽しみ方も悪くないでしょう。


それから本書の特徴としては、日露戦争終結と日英同盟の第二回が締結された翌年ということで、日本が軍事面でも産業面でも急速な発展を遂げている最中であり、そして日英関係が最高に緊密であったという時代背景が描き混まれてているという点にもあり、そういった面の史料としても面白いかと。