雑兵たちの戦場/藤木久志/朝日選書
【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り (朝日選書(777))
- 作者: 藤木久志
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/06/10
- メディア: 単行本
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- 1章、濫妨狼藉の世界
- 2章、戦場の雑兵たち
- 3章、戦場の村―村の城
- 4章、戦場から都市へ―雑兵たちの行方
戦国時代の一般民衆に焦点を当てた名著。
1章では、合戦における略奪、とりわけ奴隷狩りや人身売買の実態について考察。現代日本においても東南アジアからの人身売買が国際的に大きな問題となっていますが、戦国時代はスケールが別次元の規模。しかも国内で完結せず、南蛮商人を通して現代とは逆に東南アジアへと二束三文でバンバン売られていったというのだから衝撃的。
2章は、そんな戦国時代の戦場における雑兵たち(下人・武家奉公人)に関する考察。彼らの動きはかなり流動的で、戦国大名たちも統制に苦心していた模様。無頼の徒といった感じで、良い印象は持ちづらい。
3章は、藤木氏の唱えるお馴染みの話。戦国の城が領民の避難所としての機能を持ち、また避難所として近隣の山に領民による「村の城」が築かれた、という話。
4章は、豊臣秀吉の天下統一によって日本に戦場という働き場を失った雑兵たちのその後を追っています。