日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

英国人写真家の見た明治日本/ハーバート・G・ポンティング/講談社学術文庫

英国人写真家の見た明治日本 (講談社学術文庫)

英国人写真家の見た明治日本 (講談社学術文庫)


著者は日露戦争前後に来日。いままでに読んだ訪日見聞録の中では遅い時代になろうか。内容は、登山や観光地めぐりの紀行文が中心なので、肩肘張らずに気楽に読めます。


それにしても著者は短い間に随分あちこち廻ってる。本書で取り上げているだけでも、京都・保津峡・阿蘇山浅間山・富士五湖・富士山・伊豆・鎌倉・宮島、と全く羨ましい限り。
さらに原著にはありながら、分量の関係で本書では割愛された場所も多い模様。*1全部読んでみたかったけど、とりあえず本書だけでも普通の紀行文として楽しめますし、それが100年前の日本ということでより一層興味深い。


ちなみに、本書で個人的に最も気になったのは「お堀から見た彦根城」と題された写真。巻頭の十数ページにわたって紹介されている写真の一枚なのですが、これがどう見ても姫路城。写真の天守が五重なので、三重天守彦根城でないことは明らか。それがどうして間違えてしまったのだろうか。非常に気になる。
割愛された部分に彦根が入っているので、そのせいだろうか。しかし、姫路が入っていないのも気になるといえば気になるのだが・・・どうなんでしょう。

*1:「訳者あとがき」によれば、宇治・奈良・日光・箱根・松島・北海道・東京・彦根・瀬戸内海。