日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

新田義貞/峰岸純夫/人物叢書

新田義貞 (人物叢書)

新田義貞 (人物叢書)

  • 第一、火山灰地に立つ
    • 一、上野国新田荘と新田氏
    • 二、得宗専制下の新田一族と長楽寺の再建
    • 三、新田荘の自然環境と交通
  • 第二、元弘の乱南北朝内乱における義貞


幕府打倒に挙兵した新田義貞に足利千寿王(足利義詮)が合流し、軍勢招集に大きく貢献したというのは有名な話。だが、鎌倉を脱出した千寿王はどのようにして新田義貞と合流したのか。
従来は鎌倉を脱出した後、上野国で挙兵して鎌倉へ向けて南下する新田義貞のもとに直接向かったというように単純に考えられていたように思いますが、本書では常陸鹿島氏関連の史料*1を検討した結果、5月8日の新田義貞挙兵の4日後の5月12日に新田荘近くの上野国世良田にて挙兵し、先に挙兵した新田義貞を追いかけて合流したと結論付けている。世良田氏は新田一族であるが、足利方として活動していたらしい。

*1:『後鏡』「常陸国鳥巣無量寿寺文書」、水戸彰考館所蔵「鳥栖無量寿寺文書」