日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

御家騒動/福田千鶴/中公新書

各個の御家騒動を検証して、御家騒動が幕府に露見すれば即お取り潰しという固定観念にメスを入れている。


要点をまとめると以下のようになると思う。
江戸幕府成立期は、御家騒動を理由に改易する方針ではなかったが、寛永年間に及んで身分関係が固定化されてくると、主従不和の御家騒動において双方に厳しい処罰を下すようになり、さらに家臣団抗争の越後騒動が徳川綱吉によって厳しい裁定が下されると、御家騒動を幕府に裁定を持ち込むということがなくなる。
ただし、この段階においても、幕府は御家騒動に積極的に介入しようとはしていない。


いままで、御家騒動は読み物としての書籍は読んできましたが、本書のような体系的に捉える書籍は初めて。それゆえ非常に興味深く読むことができました、とな。