日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

平清盛の闘い/元木泰雄/角川叢書

平清盛の闘い―幻の中世国家 (角川叢書)

平清盛の闘い―幻の中世国家 (角川叢書)

  • id:sanraku2:20050415:b1
  • 第4章、新王朝の樹立
  • 第5章、遷都と還都
  • 第6章、最後の戦い猛き者清盛
  • 終章、平氏の滅亡


ようやく読み終わりました。

清盛は貴族社会の真っ只中にあって、院政の否定、天皇擁立、遷都といった王権の本質に果敢に取り組み、さらに貴族政権の大きな改革に立ち向かっていったのである。彼の突然の逝去がなければ、平氏政権には様々な可能性があったと考えられる。

序章からの抜粋ですが、これが本書の要旨。ここ最近の学習で、平家の凋落ひいては滅亡に至った発端が、軍事力による朝廷支配および王権*1との対立にあるように感じていたので、本書はこの理解をさらに補強してくれたように思う。
平清盛は王権とまともにぶつかりすぎたのだ。しかもがっぷり四つで組んでいる最中にポックリお亡くなりになってしまった。正直、こんな状態で後を託された平宗盛クンは不憫といえましょう。

*1:後白河院や寺社勢力