日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

太平記 第1回「父と子」

霜月騒動から番組スタート。当時は何で?と思いましたが、北条氏と外様御家人を対立するものとして描いているために、足利氏の前座として安達氏の討たれた霜月騒動を冒頭に持ってきてるのですね。
そういえば今年の『義経』も平治の乱を最初に持ってきて、源平対立をアピールしていました。こちらも短くてあっさりしたものでしたが。


で、話は戻って、館での酒宴の最中に夜討ちをかけられ為すすべもなく討たれる安達泰盛(加賀邦男)。しかし実際には館を出たとみられ、さらに犠牲者の数から大規模な合戦があったと推測されている。また、北条氏と安達氏の対立ではなく政権内部での主導権争いとみられ、それも従来いわれる御内人と外様御家人の対立、といった単純構造ではないようだ。


それから20年後、嘉元三年(1305)へと一気に時が進む。源範頼の子孫で幕府に対して反乱を起こした吉見孫太郎義世の残党塩屋宗春(織本順吉)が足利に逃げ込んできた。塩屋宗春って実在するのかな? それはともかく、吉見孫太郎の乱は永仁四年(1296)というから9年も前なんですけど・・・ずっと逃げ回ってきたのか?(^^;
そしてそれを追ってきた下野守護小山氏に引き渡すか否かを評議をする足利貞氏緒形拳)以下の面々。高師行(左右田一平)・高師重(辻萬長)・南重長(河原さぶ)・大平惟行(高尾一生)と、家臣の高一族が顔を揃えているようだが、誰が誰だか分からん。一同が主戦論で盛り上がっているところに重鎮高師氏(安部徹)登場。このオッサンまだ生きとったのか。『北条時宗』にも出てましたな(キャストは江原真二郎)。確か、御家安泰のために足利頼氏(貞氏の祖父)を無理矢理死に追いつめたりと無茶苦茶やっていた記憶が。(^^;
で、そんな師氏に諭される貞氏。貞氏の父足利家時(小形竹松)が無念の自害を遂げた回想シーン。そして残党見殺しを決意する貞氏。しかし少年ひとりを密かに匿う。


鎌倉に戻った貞氏は内管領長崎高綱(フランキー堺)に糾問される。嘉元三年(1305)当時の得宗北条貞時、執権はその従兄弟北条師時。そして連署北条時村内管領北条宗方に討たれ、その宗方も討たれるという嘉元の乱があった年。宗方の後を長崎円喜高綱がすぐ継承したかどうかは不明のようだが、少なくとも嘉元の乱以後、得宗北条貞時の政治熱は冷め、長崎円喜の権勢が高まっていくことは間違いあるまい。


その後、金沢貞顕児玉清)の館に立ち寄る貞氏。貞顕が長崎円喜の権勢に対して「手も足も出ぬ」と評するが、嘉元三年(1305)の時点ではその評価はまだ早すぎるだろう。
貞顕は「なかなか評定衆にして頂けぬ」と愚痴るが、調べてみると当時貞顕は六波羅探題南方。当然上洛していたハズだが、鎌倉に戻ってきているのか?そして六波羅探題辞任・評定衆就任を頼んでいるのか?しかし『金沢貞顕 (人物叢書)』にはそんなこと書いてないし。なんか全体的にもう少し後の年代を想定しているのかもしれない。ま、作り手がそこまで意識してるとは思えないけど。


金沢貞顕の館で女性を見つめる貞氏。なんだなんだ?と思っていると、なんと金沢貞顕の姉妹で貞氏の正室(横山リエ)じゃありませんか。出てたんですね、全然記憶にありませんでした。実家で双六に興じており、得宗家の命で嫁いだものの上手くいかなかった女性として描かれています。
そして自邸に戻ると側室上杉清子(藤村志保)が出産。ようやく足利尊氏の誕生です。尊氏誕生は嘉元三年(1305)ってんだから、やはり年は変わっていなかったのだ。


時が進んで正和五年(1316)、少年時代の尊氏・直義・高師泰らが上野国新田庄へ進入。そこで同じく少年時代の新田義貞にとっ捕まる。そこに駆け付けた一色右馬介大地康雄)。架空の人物ですが、20年前に貞氏が助けた少年という設定。いやぁ、これも記憶になかった。(^^;


ところかわって美濃国、悪党に襲われて母を失い、家を焼かれたましらの石(柳葉敏郎)。その悪党が足利氏の所領三河国富永保のものだと知る。それで足利氏に敵愾心を燃やしていたのか、そんな設定があったなんて全然知らずに見ていたことよ。


鎌倉での元服にあたり執権北条高時片岡鶴太郎)より一字拝領して足利高氏となった。しかし、高時と高氏は2歳しか違わんのに、鶴ちゃんと子役では大層なギャップがありますぞい。


高時といえば闘犬。ということで将軍守邦親王(吉川英資)と執権北条高時臨席のもと行われた闘犬イベント。庶民まで見てるし、まるでローマの闘技場のようだ。そして猛犬相手にボロボロにされる辱めを受ける足利高氏真田広之)。これは酷い。しかもそこで新田義貞萩原健一)に再会。ショーケン、病気かなにかですぐ根津甚八に変わっちゃうんだよね。
で、北条への恨みを募らせているところに弟足利直義高嶋政伸)より嫁取りの話を聞くが相手が北条の娘と聞いてプッツン。でもそれと知らずに相手の赤橋登子(沢口靖子)に逢うとその美貌に思わず見とれちゃうのでした。チャンチャン(次回へ続く)