日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

大久保利通/佐々木克 監修/講談社学術文庫

大久保利通 (講談社学術文庫)

大久保利通 (講談社学術文庫)

大久保利通死去から32年後の明治43年に報知新聞記者が家族や交流のあった人々から聞き取った談話集。
懐古談だから美化されている部分もあるだろうが、読んでいると大久保利通像が生き生きと膨らんできて楽しい。
また私にとって近代関連は考えず頭を空っぽにして気楽に読めるので、このところ読書も頭を使って考えながら読むことが多かったから気分転換になった。


ただ、ちょっと気になったのは黒田清隆夫人死亡についての一件。よく知られているように当時から夫人は黒田に殺されたのではないかと疑われているが、内務省大久保利通の部下であった千坂高雅の談話でもそう語られているのだが、記者の筆記に誤りがあったとして全てを取り消すとしている。詳しい事情が分からないので、どうにも要らぬ勘ぐりをしたくなってしまう。
で、その後、黒田夫人は病死であったとする小牧昌業なる人物の談話が取ってつけたようにあるので、圧力がかかったのではないかなどと、さらに勘ぐってしまったりする。