日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

清盛以前/高橋昌明/文理閣

清盛以前―伊勢平氏の興隆

清盛以前―伊勢平氏の興隆


もとは20年前に出版された本で、ずっと絶版だったが今秋めでたく再版されました。
書名のとおり平清盛登場以前の平家の歴史をテーマとし、特に祖父正盛・父忠盛の記述が豊富。それ以前の分量ももっと多ければ良かったのだが、それは贅沢というものか。
ここまでで興味を引いたのは清盛の白河院落胤説についての考察。位階昇進のスピードを同世代の公達、および弟たちや長男重盛と比較し、そのスピードの異例さを指摘。その理由を説明するには落胤説以外見あたらないとのこと。
そして落胤説で一般的に母とされるのは祇園女御の妹だが、これははっきりと否定。依拠する系図の当該部分は後世追記されたものだそうな。知らなかった!(^^;


追記:復活された『夜盗虫の朝寝坊』さんの日記で本書のことが触れられておりました。
いちおー説明しておきますと私が購入したものは新版。あとがきによると旧版は平凡社選書で、今回文理閣より訂正・追加をして増補改訂版として出版されたとのこと。さらにあとがきには裏話もあって、復刊ドットコムでは100票に届かなかったけど、文理閣のオーナーが著者の飲み友達で、飲み屋での話題が弾んでこのたびの復刊となったそうな。いやはや、世の中やはり人脈が大事ですね。