日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

政界の導者 天海・崇伝/圭室文雄・編/吉川弘文館

政界の導者 天海・崇伝 (日本の名僧)

政界の導者 天海・崇伝 (日本の名僧)

前半は天海編。天海といえば明智光秀。しかし光秀の「み」の字も出てこない。天海=光秀説に囚われた亡者に本書はオススメできず。


天海の評価について一章と三章でだいぶ意見が分かれているのが気になった。

しかし、所詮天海の限界は天台宗の権益を守ったことである。

と、一章では政治的役割について評価せず、

こう見てくると、山王一実神道によって、家康を東照大権現という偉大な神に祀ったことが、その後の二五〇年の江戸期を通じて、侵しがたい精神的な支柱を確立することに繋がったのである。今更ながら、ここで天海の果たした役割がいかに大きかったかを思わざるをえない。

と、三章では天海の宗教政策に最大級の評価をおくっている。