日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

扇谷上杉氏と太田道灌/黒田基樹/岩田選書

扇谷上杉氏と太田道潅 (岩田選書「地域の中世」)

扇谷上杉氏と太田道潅 (岩田選書「地域の中世」)

坂東戦国史の本を読むのは随分ひさしぶり。
かつての上杉氏と太田氏への熱い想いがマグマが、再び沸々とたぎってくる。


さて、本書は二部構成となっており、今日はⅠ部の第三章途中まで。

  • Ⅰ 扇谷上杉氏の発展と展開
    • 第一章 扇谷上杉氏の台頭
    • 第二章 太田道灌と江戸地域
    • 第三章 道灌謀殺と上杉定正


第一章は、扇谷上杉氏の系譜と道灌登場までの流れを追う。軽くウォーミングアップといったところ。
しかし気になったところがふたつ。扇谷上杉持定・持朝の「持」は鎌倉公方足利持氏からの偏諱と推測しているが、持氏は将軍足利義持から偏諱を授かっているのであるから、それを下賜するのは如何なものか。義持からの偏諱の可能性はないのか?
ただし、同時期の坂東には他にも「持」の名を持つ者がいるので彼らとの比較傍証が必要になろうか。
あとひとつは、持定・持朝兄弟(のち持朝が養子となる)のことで、実の親子という説もあったように記憶しているのだが、これについては一切触れていなかった。
現在は兄弟説で片が付いているってことなのかしらむ?それとも記憶違い?


とまあ、細かいことを書き連ねたが、この本はいつもよりじっくりゆっくり読むぞー! なんといっても大好きなテーマだしね。