日本史日誌

いまは旅行記で精一杯だけど・・・

信長と消えた家臣たち/谷口克広/中公新書

信長と消えた家臣たち―失脚・粛清・謀反 (中公新書)

信長と消えた家臣たち―失脚・粛清・謀反 (中公新書)

谷口氏の信長シリーズ第4弾。
これまでの3冊と被る部分もありますが、それらから漏れた連中や事柄も補完されています。特に第十章の「水野信元と松平信康切腹」はコンパクトで分かりやすくまとめられているので必読かと。


ちなみに最も興味を惹いたのは、和田惟長に関する件。
元亀四年の高山右近による襲撃で死んだと『フロイス日本史』『兼見卿記』にあるものの、慶長十六年の起請文に惟長の署名があり、『寛政重修諸家譜』のとおりにその後も生きていたとみられるとのこと。
そして、フロイスは別人の葬儀をみて早とちりしたのだろう、と推測していますが、もしかすると「黄泉がえり」という可能性も?!

風林火山 第33回「勘助捕らわる」

長尾政景登場。
「景虎(謙信)の従兄弟である」
・・・なんて説明が入りましたけど、これはどういうことですかね?
従兄弟とはつまり親同士が兄弟であるわけですが、まず景虎の府中長尾氏と政景の上田長尾氏は遠縁であって、男系では有り得ない。となると女系を交えての話になりますが、景虎の母は栖吉長尾氏と伝わり、一方で長尾政景の母は不明。可能性があるとすれば母親同士が姉妹、その一点のみですが、根拠があるんでしょうかねぇ?
どうもこれまでの例からして勘違いや単純ミスのような気がしてなりません(^^;

風林火山 第34回「真田の本懐」

砥石城乗っ取り。
真田の独力によること、それゆえ謀略・調略を駆使したであろうこと。実際はそれ以外よく分からんらしいですから、そこに海野宗家再興と真田兄弟を絡めて今回の話を創作したのでしょう。
それにしても、真田幸綱(幸隆)は最大の見せ場ともいえる今回においてすら、あんまり活躍させてもらえませんでしたね*1・・・山本勘助に割を喰わされている最大の犠牲者はこの人かもしれない(;_:)

*1:実はこれが等身大だったり?